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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第4話 白と黒の邂逅
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「知ってどうするんですか?」

「何も……知りたいだけさ、君の理由は僕の家族を傷付けて迄、正当性のあるモノなのか……それを確かめたい」

「ーーーー」


さっきよりも緊張が混じった声音で話す少女。
葛葉が理由を答えると、無言で此方を見ている。

二人共に、何も口を開く事無く、沈黙が周囲を支配する。
細やかに吹く風と木葉のさざ波が響き渡る。
先に沈黙に耐えかねたのは少女の方。

何かを口にしようとしたその時ーーーー。


「なのは!?」

「っーーー」

「……全く……空気の読めない小動物だ」


沈黙を破るように聞こえてきた妹を呼ぶ声。
何かを口にしようとした少女も、この場にいる人間以外の大声に驚き、口をつぐんでしまう。
盛大な溜め息を吐き、肩の力を抜く葛葉。

やれやれ、といった様子で頭を掻きながら、摘まんでいたジュエルシードを少女に向かって投げる。
自分に投げられたジュエルシードを慌てて少女が掴む。
困惑した様子で葛葉を見る。
昨日と同じリアクションに少し可笑しく思い、口元に笑みを浮かべて話す。


「邪魔が入った。今日はここまで……持ってけ」

「良いの?」

「僕としては、誰がそれを手に入れようと興味がない。君が持っていっても問題ない」


笑みを浮かべながら、興味がない様に言い放つ。
少女は、葛葉の言い様に控えめな苦笑いを浮かべた。


「ーーーありがとう」

「それは昨日も聞いた。今度会う事があれば、お礼じゃなくて話を聞かせてくれ」

「ーーーーうん……」


僅かに、小さく頷き、了解を示す少女。
次に、なのはの方に視線を向けた。


「今度あった時は手加減出来ないかも知れない」


なのはへと忠告する少女。
彼女からしてみれば、同じ物を奪い合う敵同士……仕方ないかもしれない。


「ジュエルシードは……諦めて」


最後のそう言い残し、飛び去っていった。
少女の去っていった方向を見つめ続ける葛葉。
腕の中のなのはは少女の言葉を聞き届けると再び意識を手放していた。
暫くして、なのはや葛葉のいる場所にサクラとユーノが到着した。
焦った様子で二人に話し掛けてくる。


「なのは!無事!?」

「マスター!?なのはちゃんは大丈夫!?」

「ーーーーお前ら、僕の心配してないのか?」


葛葉が不機嫌そうな声を出し、二人を睨む。
ユーノは兎も角として、相棒(サクラ)にも心配されないのは、中々悲しい。


「さっき意識が戻って、また寝たよ……怪我も軽傷だ。問題ない」

「良かったんだよ〜……」


サクラは安堵し、目を少し潤ませながら、なのはの頭を優しく撫でる。
ユー
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