第三幕その四
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彼がそのハンカチを受け取らない理由はそれであった。
「だから。別にいいよ」
「好みではないのですか」
「あいつは赤いハンカチが好きなんだ」
見ればそのハンカチは白い。つまり全くのアウトゾーンなのだ。
「だから。別にいらない」
「そうですか」
「だからあげるよ」
これはイヤーゴへの親切であった。彼もまたイヤーゴを自分を大事に思ってくれる有り難い友人だと思っていたのである。仮面に騙されていたのだ。
「わかりました。有り難うございます」
「うん。それでね」
ハンカチを手に取るとそれを後ろにやる。わざとオテロに見せた。
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