第五話 少女暴走中
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のは
「ちょ、え、何!?」
突然空が灰色になったかと思うと、私以外の全員が消えてしまった。
『なのは!』
「ユーノ君! これって……」
『多分、魔力結界の一種、ジュエルシードの被害が出ないためのものだと思うけど、一体誰が』
「誰かはわからないけど――」
私は後ろを振り向く。
「今はそれどころじゃないみたいなの」
そこには私よりも大きなワンちゃんが、敵意をむき出しにしてこちらを睨んでいたの。
side 刃
「おいおい、どういうことだよこれはぁ!」
ようやく目の痛みから解放された俺は、結界が張られた神社近くに着ていた。
『おそらく、ベルカ式の結界だと思われます、主人』
俺が握り締めている銃剣『ベイオット』が話しかけてくる。
「だからどういうことだって言ってるんだよ! 闇の書はまだ目覚めてないはずだろ?」
『はい、彼らはまだ目覚めていません、おそらく主人と同じ転生者の仕業だと思われます』
「くそっ!」
まさか俺と同じことを考えている奴がいるとは、完全に出遅れた。
そもそも全部アイツのせいだ!
せっかく果汁には慣れてきたところだったのに、催涙スプレーってどんな小学生だよ!
「ベイオット、なんとか破れるか?」
『はい、主人の魔力なら簡単です』
「よっしゃ!」
だったら迷っている暇などない。
俺は全力でその結界に突撃した。
side アリサ
私たちは今、神社を離れ商店街の辺りまで来ていた。
「まったくなんなのよ! あの犬のお化けは!」
あの時、女の人の叫び声が聞こえたかと思うと急に大きな犬のお化けが現れた。
けど、私たちに飛びかかったところで急に消えちゃって! 本当に訳が分からない!
とりあえず、気絶しちゃったなのははすずかが、疲れきっているこの子は私が運んでいた。
「ん?」
「あ、目が覚めたの?」
どうやら目が覚めた彼女にすずかが話しかける。
「ここ、は?」
「商店街の近くよ、ほんと大変だったんだからね、あんたたちを運ぶの!」
「ご、ごめんなさい……」
そう言うと彼女は背中から降りる。
「しっかし、あんた軽いわね、カロリメイトばかり食べるのは体に悪いわよ」
「……何でわかるの?」
驚いた様子で私に聞き返す。
「あんた昼に屋上で食べてたじゃない」
そう言えば、と彼女は思い出したように頷く。
どうやら彼女は私たちに気づいていなかったらしい。
…………それはそれでムカつくわね。
私のことなんて眼中になかったってことでしょ。
「ふ、ふふ、ふ
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