第十二話 正邦戦
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ついに準決勝まで来ました。
水野くんは自分視点じゃないためか静かです。
帝光中時代の水野くんはボクとは違い本物の天才と呼ばれていました。
それはある事件を境に元が付くようになりました。
試合前ですのでこの話はあとにしましょう。
会場はすでに熱気に包まれています。
火神くんは準備万端のようです。
水野くんも同じく準備万端のようなのですが、視点を変えられたからって一言も話さないのは不気味です。
「水野くん。どうしたんですか?」
水野くんは鞄から携帯電話を取り出すとボクに見せてきました。
そこには元帝光中主将である赤司からのメールだった。
『ショウ。準決勝には出ない方がいい。』
ビックリする内容です。
こっちの状態が分かりきっているような感じがします。
「これじゃあ出れないじゃん。まったくどんな考え方をしてるんだか。」
「赤司くんの考えは赤司くんにしかわかりません。」
「だから今日はよろしくね。」
「任せてください。」
ボクもみんな一緒に勝つんだ。
水野くんの分も頑張ってかれがいない分補助もしていけば。
「クロちゃん。見せてないけど赤司からもう一通メールが来てるんだ。内容は教えられないけど試合は頑張ってね。」
「はい。」
やっと僕の元に戻ってきましたね。
試合は始まりました。
僕は赤司くんの頼みでクロちゃんの観察をしています。
赤司くん曰く「今のテツヤの状態が知りたい。」だそうです。
そのせいで試合に出れない僕の身にもなって欲しいです。
試合はどうなっているかと言うと押されています。
正邦高校は特殊な動きが注目されています。
古武術だっけ?
かなりおかしなからだ動きをするのは。
と言ってもそんなのは僕たちには通用しない。
何故ならば正邦高校の動きは徹底的に調べましたから。
確かに鉄壁であることには変わりないけど隙をついていけば崩れるはず。
僕はそう考えています。
「誠凛高校。選手交代です。」
えっ?
どうして火神が交代なの?
「お疲れ。クロちゃん。どうしげ火神が交代なの?」
言ってから気付いた。
これでは試合を見てないと思われてもしょうがないと。
「水野くんは試合を見ないで何をしていたんですか?」
「クロちゃんを見てたんだよ。」
「視線を感じていましたけど水野くんだったんですか?」
「そうだけどどうして?」
「赤司くんと同じような感じだったので。」
げっ!
クロちゃんに感づかれそうで怖いです。
それとも本当に赤司くんがいるのかな?
それよりも
「どうして交代したの?」
「はぁ〜。」
「そのため息は一体何なんですか?」
クロちゃん。
ため息は失礼なんだよ〜。
「ちゃんと見ていてください
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