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グラールの神機使い
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ルウィングでいい」

 そう言った瞬間、エミリアの顔が少し明るくなった。

「次はこれよ」

 マヤは既に、次の扉を開いている。

 リュウジは神機を手に取ると、次の部屋に向かった。

「……エレベーターか?」

「そう。ちょっと、2人はまたカフェで待っていてくれない?」

 そう言われ、シズルとエミリアは黙って部屋を出た。

「どこに行くつもりなんだ?」

「決まってるじゃない。ガーディアンズ統括、ライア・マルチネスさんの所よ」

「……支部長みたいな物か?」

「そんな所ね」

 リュウジは鼻で笑った。

 しばらくして、エレベーターが目的の階にたどり着く。

 エレベーターの扉を出ると、そこは短い廊下で、突き当りに白い扉があった。

「統括、例の異世界人をつれてきました」

「入れ」

 マヤが扉の機械に話しかけると、返事と共に扉が開いた。

 真っ白な部屋に、机が1つ。いやに殺風景だ。

「よく来てくれた。私はライア・マルチネス。このガーディアンズを統括している」

「……荒鋼リュウジ、ゴッドイーターだ」

「話はマヤを通じて聞いた。アラガミに食い荒らされた世界と、それを狩る神機使い」

 リュウジはライアの容姿が気になりだしていた。

 割れた上唇や、尖った耳。黒い肌。

 先程エミリアから聞いた話から察するに、これがビーストと呼ばれる種族なのだろう。

 そして、気になったことがもう一つ。

「君は特に異例な存在だ。ただ異世界人というだけでなく、特殊な細胞を取り込んだ極めて特殊な……」

「………」

「……何をそんなにニヤニヤしてるんだ?」

「別に畏まらなくても、普段通りの喋り方でいいぞ? 隠してるの見え見え」

 気配からも、明らかに喋り方を偽っているようだった。

「……ぷ、あははははははは!」

 そして、それは大当たりだったようだ。
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