暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode2 絶望と希望
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後ろのアカリが気になって意識が散漫になる。

「安心しな。あっちの娘にジョニーは手を出さない。そういうcontractだからな」
「…さっきから人の心読みやがって……。それにな、ちょいちょい英語分かんねぇよ!」

体を入れ替えて鍔ぜり合いのような形に持ち込む。短剣と片手剣ならば俺の方が有利だ。事実、ジワジワと俺の剣が押し込んでいく。にも関わらずポンチョのフードから覗く口元にはうっすらと笑みが浮かんでいる。


「Oh、I'm Sorry」
「ヘッドぉ、俺飽きてきたー」
「そうだな、そろそろFinishにするか」
「勝手に…決めんなっ!」

乱暴に剣に力を込める。ググッと確かな手応えとともに短剣が押し込められる。このまま行けば…このまま…。

(このままなら、切れる?…っ!?ダメだ、やばいっ!)

挑発、人質、わけの分からない英語。これらのせいで俺は冷静な判断を失っていた。そして、それに気付いたもののもう遅かった。

目一杯押し込んでいた剣に抵抗感がなくなった。そのまま俺の剣は宙を駆け、ポンチョの腹部共々本体を切り裂いた。客観的に見た今の状況は…ポンチョの《一般》プレイヤーを傷付けた片手剣の《犯罪者》プレイヤー。

「…さぁ、Endingだ」

気付いた事実に硬直していた俺の前でポンチョが体を低くした。その直後、足にダメージを受けた感覚が起こり視界が傾いた。

地面にたたき付けられるのとほぼ同時に、バシャッとフロアボス攻略戦の時に聞いたような嫌な音がした。

「ぐっ!?」
「スゲェ…一撃で足を切っちゃったよ」

久しぶりに聞いた気がするハズキの声に自分の足に手を伸ばす。


「なんで…左足が……」
「さすがヘッド!いつのまにそんなん出来るようになってたの!」
「バーカ、たまたまだよ。運よくクリティカルでアバターの《脆弱部分》を切れただけだ。それとも…そっちがUnlucky過ぎたか?」

無慈悲なポンチョの奴の声に思考が止まりそうになる。だって、これ以上考えたくない。

裏目に出たアカリへの提案、安易に感情に流されたためにオレンジプレイヤーになり、運悪く足に《部位欠損》が起こった――。

「くそぅ……」

気付かぬうちに声が漏れた。何が『守るよ』だ!守るどころか、自分が追い詰められている。

「さすが《PoH》だな。…なぁ、僕がそいつにとどめを刺してもいいのか?」
「ん?あぁ、ちょっと待ってくれ。ジョニー、今日毒ナイフ何本ある?」
「二本っすよ」
「そっか、そんじゃあ…一本そのデブに刺しといてくれ」
「りょーかい」

余りにも自然な会話の流れの中でナイフの投擲が指示され、何のためらいもなく実行された。アカリに向けられていたナイフがハズキの腹部に突き刺さる。その場
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