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魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
Chapter-2 Second Story~sorrowful and graceful……that occurrence~
number-17 omen
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辺りはすっかり暗くなってしまっている。
そんな暗い夜道を家に向けて燐夜は一人で……いや、フェイトと一緒に歩いていた。
時刻は先ほど右腕につけた腕時計で確認したら、19時を回ったところだった。
本当は、ここまで暗くなる前には家に帰るつもりだったのだが、のんびりとみんなで話していたら、いつの間にかこんな時間になってしまっていた。まあ、こんな日もあってもいいとは思う。ときどき、そう思うのだ。勿論、毎日こんな遅くに小学生が返ってくるのは世間上よろしくないので、そう言う建前はちゃんと守る。
こんなくらい時間に男女が歩いていると、ある捉え方をされそうだが、まあしょうがないのかもしれない。燐夜としては警察に見つからないことを祈るだけなのだ。こんなことなら士郎の申し出を断らなければよかったと今になって後悔している。
しかし、燐夜は戸籍上の両親はいるが、それは存在していない。もう死んでしまったのだから。実質一人なのだ。
だが、フェイトは違う。フェイトには使い魔のアルフがいる。
アルフは大雑把で結構大胆な性格をしているが、ああ見えてフェイトに対しては過保護なのだ。
何しろあんな生みの親だったのだから……っと、過去の人を馬鹿にしてはいけない。あの人は最後の最後には、自分の間違いに気づけたのだから。
話を戻すが、アルフは家を飛び出して町中を探し回っている可能性だってある。だってフェイトに対しては過保護なんだもの。
しかし、フェイトによると今、家にはリンディもいるらしいのだ。フェイトの保護者として。
フェイトは、さっきメールを送っておいたと言っていたからリンディは特段と心配はしていないだろう。むしろ、今にも家を飛び出そうとしているかもしれないアルフを抑える方が大変なのかもしれない。
「寒くないか? フェイト」
「うん、大丈夫。けど、ちょっと手が冷たいかな」
今の季節は冬。翌日にはクリスマスイブを控えている。
そんな時期だから、とても寒いのだ。夜ということもあって、昼間は今の服装でも大丈夫であったが、夜の冷え込みを言うものは厳しいのだ。あともう一枚欲しいと感じられる。
――――不意に。フェイトと燐夜の手がチョンと当たった。
燐夜はフェイトよりも若干前を歩いているのだから、普通に歩いていれば当たる筈がないのだ。
だから燐夜は歩みを止めて、フェイトの方に振り向く。
「……? どうした、フェイト」
「い、いや……その……手を繋いでくれないかなって……ダメだよね、何言ってんだろ、私」
「別に構わないさ」
燐夜はフェイトの隣に並ぶと手を繋ぐ。
フェイトは自分から申し出たことなのに、まさかそのまま実行されるとは思わなくて、あまりにもいきなりのことに戸惑いを隠せない。
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