暁 〜小説投稿サイト〜
SAO――とある奇術師は閉ざされた世界にて――
一章 三話 とある殺人鬼は妖精と出会う
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コテの前衛装備だ。

さらに、集団戦用の防具でメンバー全員が統一されているというのもおかしな話だ。
そもそも彼らにとって集団戦などあってないようなものなのだ。
下層地帯のパーティーに集団で襲いかかることはあっても、ボス戦のように、役割ごとに別れた部隊で組織的に戦うということは、全くない。
相手がどれだけ格上だったとしても、レッドプレイヤー達が彼らの衝動を押さえることはないからだ。
彼らは勝つために戦っているのではないのだ。

ただ殺す。その為だけに戦う彼らに、敵の攻撃を受け続けるだけの壁などできるはずがない。

壁がいないのなら、役割分担アリが前提の、組織的高機動戦闘用の防具を、わざわざ高いコルを払って揃える必要もない。

そして、一番おかしなのは彼らの雰囲気だ。

全くレッドギルドらしさがない。

狂った声の満ち溢れるカオスな空間でもないし、全員がどこか遠くを見据えていて隣の奴のことすら見えていない、という状態でもない。

あまりに普通すぎるのだ。
ただ集まった仲間が、話して、笑って。

何より、プレイヤーカーソルがレッドになっているプレイヤーが、圧倒的に少ない。四、五人といったところだ。

「こいつら本当にレッドギルドか・・・?」
結構本気で頭を抱える俺。

その目の前を、広場から出てきた四人の男達が歩いていった。
「・・・ま、いっちょ腕試しといきますか」





「なんだてめぇ!」
これが、先ほどの広場から二十分ほど歩いた小部屋で、目の前でハイディングを解いた俺を見た男達が放った第一声。

ワオ、何かテンプレート。現代教育をちょっと疑うね。

「”罪人殺し”って言えば分かるかな?」
半ば挑発するように放った俺の言葉で、男達の間に緊張がはしる。

「・・・どこからつけてやがった」
「知る必要はないさ。」
ここまでくると”在罪人殺し”の通り名も、ただの”人殺し”に改名しなければならない気もするが、とにかく俺は続ける。
「だって、お前等はここで死ぬんだから。」

その言葉と同時に、その場の全員が剣を抜く。

だが、男達が動く気配はない。むしろ、なにか言おうと迷うように口をパクパクさせている。

――けど、そんなの知るかっての。

俺は敏捷力全開で飛び出す。
狙いは右端の奴。奴だけはレッドプレイヤーだから、俺が先にてを出しても、俺がレッドになることはない。

勢いに乗って放った、片手剣単発技”ヴォーパルストライク”が男の胸に突き刺さる。

極限に低い俺の筋力値だが、もともと重い技の威力と攻撃部位の補正、敏捷ステータスによるダメージ加算によって、男のHPを削りきる。

仲間が四散したことで、ようやく我にかえったのか、俺の左に位置する男が斬りかか
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