応援と翠屋
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その顔は……どことなく嬉しそうで、闘志に燃えている顔だった。
そして…そんな士郎さんの顔を見て、自分の頬が自然と釣り上がっているのがわかる。
「―――楽しみにしてますよ? 士郎さん」
「―――あぁ、僕も楽しみにしてるよ……神田君」
互いから発せられる闘気に、辺りは静かになる。
バニングスさん達は会話を止め、ただただ俺達を静観している。
そして…静かになった事で、店の中の声も自然と聞こえてくる
『あれ? 士郎さんどこ行ったんだろう? なぁ、お前知ってる?』
『いや、知ねーぞ?』
会話からして、士郎さんを探しているようだ。
「……ふぅ。
じゃあ…僕はそろそろ店の中に戻るよ、選手達が探しているみたいだからね」
「……ええ、そのようですね。
お仕事、がんばってくださいね?」
「ははは…ありがとう、神田君」
そう言って、互いに小さく手を振り合う。
そして、士郎さんは翠屋の店内へと消えていった……。
「ちょ、ちょっと神田!? 何なのよ今の!」
「う、うぅ……2人がちょっと怖かったよぅ」
辺りの空気が戻り、バニングスさん達は声を上げる。
バニングスさんは疑問を抱き、焦りながら質問し…
月村さんは小さな恐怖を抱き、少し気落ちしている。
「す、すずかちゃん、大丈夫?」
そんな状況下の中で、一人だけ何ともないのは高町さんただ一人。
流石は剣術の家の子といったところか。
「まぁ…お互いに力んだってだけだよ、バニングスさん。
それと……ごめんね、月村さん。 配慮が足りなかったよ」
「う、うんうん。
私は別に大丈夫だから……でも、何で2人共あんな雰囲気になったの?」
「そ、そうよ! すずかの言う通りよ!
私達、アンタと士郎さんが喧嘩するんじゃないかって思ったのよ!」
バニングスさんは俺に人差し指を向け、声を荒げる……どうやら、少し勘違いをさせてしまったようだ。
「ごめん、ごめん…。
ちょっと…士郎さんとの約束が有ってさ、その関係でお互い力んじゃたんだ。
だから…別に俺と士郎さんの仲がどうこうって訳じゃないから、安心してよ」
「約束? それって……士郎さんが言ってた大切な約束の事よね?
アンタ、一体何の約束したのよ? 士郎さんがあんな風になるなんてよっぽどよ」
「う、うん。
私も始めて見たよ、アリサちゃん……なのはちゃんはどうだった?」
「えっと……実は、私も最近知ったんだよねぇ……にゃはは……」
月村さんからの質問に対し、照れくさそうに頬をポリポリと掻きながら高町さんは答える。
高町さんの回答を聞き、俺は『少し意外だなぁ…』と考える。
というのも…家族と一緒に暮らしているはずなので、何回も観ていると思ったからだ
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