応援と翠屋
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強だな」
「いや、アンタ……何で私達と一緒の席に居るのよ?
アンタ、翠屋の中に居る選手達に呼ばれてたじゃない」
そう言って、ジト目で見てくるバニングスさん……。
彼女の言うとおり、今俺は高町さん達が居る翠屋のテラス席に座っている。
翠屋JFCのメンバーの全員は店内で祝勝会中……先ほど乾杯も聞こえてきたし
あちらも飲み物を飲んだり、食べ物を食べている頃だろう。
で、バニングスさん…なぜここに俺が居るかって? そんなの決まってるじゃないか?
「試合の時のインターバル中、ずっともみくちゃだったからさ…
祝勝会でも、もみくちゃにされる可能性があったから避難してきた」
「はぁー、アンタ、私達を避難所みたいに言うじゃないわよ。
というか、男ならあのぐらい甘んじて受けなさいよ」
「いや……応援で疲労した体にあれは勘弁して欲しい。
てか…そもそも、何で俺がもみくちゃにされている時に助けてくれなかったのさ」
俺の記憶が正しければ、この3人組はインターバル中俺と選手のやり取りを傍観してた。
少しぐらいは止めに入ってもいいと思うんだ……。
「それは…あれよ、男の友情に水押さすのもどうかと思ったのよ」
……バニングスさん…それ、俺の目を見て言ってくれないかな?
何で露骨に目を逸らしながら言うのさ。
「にゃはは……仕方ないよ神田君、あの人数は流石に…」
「うん…あの人数は私達じゃ、どうしようもないよ」
『どうしようもない』って…月村さん、その中心に居た俺の気持ちを察してくれ。
……ちょっと怖かったんだぞ?
「まぁ、もういいじゃない? 終った事なんだし。
それに…アンタ、いつまでも過去の事をウジウジ言うと男らしくないわよ」
「ぐッ……分ったよ。 もうこの話はおしまいにするよ」
「ふん、わかればよろしい」
そう言ってバニングスさんは、勝ち誇った様な顔をする
何か……負けてもいないのに敗北感があるのはなぜだろうか?
まぁ、いいけどさ……。
―――カラーン♪
「おや? 神田君、ここに居たのかい?」
と、ここで店の中に居た士郎さんが翠屋から出てくる……。
「はい、やっぱり応援組みは応援組みでって思ったんで……」
「あはは、なるほどね」
士郎さんはこちらの席に近づき、はにかむ…
相変わらず笑顔が良く似合う人だ。
「お父さん、お店の方はいいの?」
「ん? あぁ、大丈夫だよなのは。
皆の料理も出し終えてるし、今日は祝勝会が終ったら店を閉めるからね」
「え? 祝勝会が終ったら店を閉めちゃうんですか?」
「そうだよ、すずかちゃん。
今日は……午後から大切な約束があってね」
そう言って、士郎さんは俺を見てくる。
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