暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第十七話
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 先程の作戦会議では、タンクを無意味なものにするというボスモンスターのルールブレイカーっぷりもあってか、前例が無い《閃光》アスナの作戦に誰も文句がなかった為、そのまま出陣した俺たち《ダメージディーラー》は五十五層の荒野フィールドを突破し、ダンジョンを突き進んでいた。
いや、突き進むと聞くとカッコよく聞こえるが、実態はまあ……ただ歩いてるだけだったりする。

 今回出番の無い《タンク》の皆様方が張り切って、ダメージディーラーの集団を、敵を倒しつつ先導しているからだ。
それ自体はありがたいことなのだが……タンクの方々は自分たちより足が遅く、また、殲滅力も低いために進行率が異様に遅い。

 故に、タンクとダメージディーラーはセットでいなくてはダメなのだが……攻略組のダメージディーラーは全員こっちだ。

「こんなとこ、さっさと走り抜けちまえば良いのにな」

「……さっさと走り抜けたら、タンクの連中追い抜くだろ」

 同じく横でとぼとぼ歩くキリトにツッコミを入れつつ、(自分も似たようなことを考えていたが)とぼとぼと歩き続ける。

ああ、暇だ……
いい加減あくびが出かけたその時、ダンジョンの前方から何人ものプレイヤーが歩いてきた。
全員タンクなので、おそらくはあいつ等が俺たちの前でモンスターを狩ってくれていた部隊なのだろう。
先頭には、《血盟騎士団》に並ぶトップギルド《聖竜連合》の隊長格、《シュミット》が歩き、その背後からガシャガシャ
と大量のタンクが居並ぶ。

 どうやらモンスターを狩り尽くしたようで
、こちらの先頭を歩いていたアスナと二言三言会話を交わしてダンジョンを脱出していく。

 ……先程はああ言ったが、タンクの皆様方には感謝している。
彼らのおかげで、俺たちは何も起きずに今回のボスモンスターの攻略に臨めるのだから。

あとは俺たちが、彼らの期待に応えるだけだ。

 更に数分歩いた後、大きな扉の前に着く。
大きな扉=ボスモンスターのいる部屋、というわけではないが、ここまで巨大、なおかつ他に横道が無いところを見ると……十中八九、この五十五層のボスモンスターがいる部屋だ。

 流石にみんな、ボスモンスターの部屋でふざける余裕は無く、ある者は武器のチェックをし、またある者はアイテムの確認をしている。

「準備は……良いですね?」

 自身も油断無く細剣、《ランベイトライト》を構えたアスナがこちらを見て確認をとり、俺たちが頷いたのと同時に扉を開けた。

扉は大きく音をたてて開き、部屋の中は壁で立てかけてある炎で照らされて明るく、また狭い部屋であったため部屋の奥まで見通すことが出来た。

 だが、一際目を引く物は部屋の中心で渦巻く炎。
その中心には黒い影が見え、ここからでも存在感を感じさせる。

 そして、俺た
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ