第十七話
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ちダメージディーラーが全員部屋に入りきると共に炎の渦は爆散し、中にいる黒い影が姿を現す。
今回のボスモンスターは炎を使うと事前に聞いているし、そもそも、この部屋にいる大きい影と言うと……ボスモンスターしかいないわけだが。
かくして俺たちの前に現れたのは、昆虫のような六つの足を持ち、悪魔のような形相をした、《THE HELL BURNER》――《地獄の業火》を意味するのであろうボスモンスターがこちらを見据えた。
地獄の業火の名前の示す通り、まずは挨拶代わりと言うようにその悪魔の口から炎を吐き出した。
ボスモンスターの攻撃はだいたい軒並み攻撃力が高く、自分たちダメージディーラーが受けたら本当に死ぬこともある。
今回の業火も、その名に恥じぬ熱量が感じられる。
――だが、ルールブレイカーならばこちらにもいる。
俺たち全員を守るように、真紅の鎧が飛びだした。
「むん!」
もちろん飛びだしたのはヒースクリフであり、自身の《神聖剣》についている盾を炎に押し出し、四散させた。
《ヒースクリフの盾を貫く物無し》――アインクラッドにまことしやかに流れる噂の通り、ボスモンスターの攻撃をも防いだのだ。
「ショウキ君!」
「わかってる!」
無論、俺とて何もしないわけにはいかない。
《縮地》でヒースクリフが炎を弾いた隙に、ヘル・バーナーに接近し、そのまま――
「抜刀術《立待月》!」
――銀ノ月をヘル・バーナーの頭になぎ払う。
タイタンズハンドとの戦いの時に使った、縮地の勢いのままで放つ抜刀術《立待月》。
その威力は充分なようで、ヘル・バーナーの悶える声を聞いて、俺はバックステップで距離をとった。
「タゲはとった! 後は頼む!」
俺を狙った炎に対し、またもヒースクリフが防いだ隙にダメージディーラーたちはヘル・バーナーの両側面をとった。
背後には尾があり、横には足しか無いので攻撃しやすいからだろう。
『ラアアアアアッ!』
ダメージディーラーの誰かの叫びと共に、ヘル・バーナーの両側面から俺とヒースクリフを除く全力が叩き込まれる。
側面をむこうにも、どちらからも攻撃しているためにどうしようも無い。
ヘル・バーナーのHPゲージが徐々に減っていき、これはアスナの作戦通りにいくか……
と、
思えないのがこのソードアート・オンラインだ。
ヘル・バーナーが叫び声を上げると共に、俺の《気配探知》スキルが反応する。
殺気は――背後!
「抜刀術《十六夜》!」
気配を頼りに抜刀術《十六夜》を背後に放ち、受けとめられる感触を感じて正体を確認する。
正体は、《ヘルソルジャー》と表記された悪魔の面で、剣と盾を持った鎧武者――本来、ボスモンスターの部屋
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