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最期の祈り(Fate/Zero)
Mission Kiritsugu
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い、言い換えれば自分が最強である必要は無い。
 ――勝負に出たいところだが……
 下手を打つと逆に此方がやられかねない。他の仲間だが、クライアントの一人は退路の用意に戦力に数える事が出来ない。エムは衛宮切嗣の相手をする以上、それで限界だろう。一度負けた相手に再度挑ませるのに躊躇いは在ったが、少なくとも接近戦特化のオータムを立ち向かわせるのは得策とは言えなかった。その点、遠距離攻撃の手段を持つサイレント・ゼフィルスなら確実に切嗣の弱点をつける。最初の一戦を例外と見なせば最善の判断と言える。だが、これでエムは迂闊に動かせない。
 ――オータム、動ける?
 ならもう一方の、良くも悪くも信頼できる方に声をかけた。
 

 At 本校
 一夏は確かに成長していた。セシリアと戦い鈴音と共闘し、濃密な時間を過ごしてきた。だが、それだけだ。機械仕掛けの蜘蛛を殺すには一歩も二歩も及ばない。
 「はあ!」
 ブレイドを振るうが最小の動きで回避され、逆に蹴り飛ばされる。そのエネルギーは既に半分を切っていた。当初は零落白夜で一気に勝負を決める予定だったが、その目論見は失敗に終わった。何故か?本来なら打鉄を装備した箒が囮に一夏が勝負を決める予定だった。だが、何故か、その打鉄が稼働を停止したのだ。いや、実際はそうでない。一夏たちはまだ知らない事だが、第一・第二世代機の全てが稼働を強制停止させられていた。この学園に専用機持ちはそこそこの数が居る。だが、第三世代機はそう多くは無い。今年は様々なイレギュラーがあった為、偶々今年の一学年には第三世代機が大量に配備されていただけだ。だが、その一年のほとんどは戦闘不能に陥っていた。今、戦える戦力は一夏、楯無、切嗣の三人。
 結果、彼はその身だけで敵を押しとどめる羽目になった。一応、セシリアと鈴音は箒と駆けつけた候補生達に保護されているため、周囲への被害に気を配る必要が無いが、それだけで如何こう出来るほど目の前の敵は優しくない。
 「そら、どうした!?」
 鉄の足で建物を足場に縦横無尽に移動をし、一夏を討つ。事、地上戦においてはアラクネに地の利がある。ポテンシャルとしては百式は別格の扱いなのだが、その本領は空中戦、それも接近戦に生かされる事が前提となっている。スコールの様に遠距離から攻撃を仕掛け続けるのも戦術としては有りだが、肝心の遠距離専用の武器が無い。結果、一夏は相手に有利な条件で戦う羽目になった。
 ――どうする?どうすれば、

 勝てる?

 その考えが一夏の思考を縛っていた。だが、今回に限っては一夏の勝利条件にドロップは存在しない。白式はエネルギー効率が圧倒的に悪い。持久戦に持ち込まれては勝敗が決してしまう。その先にあるのは、避難した生徒たちが集うシェルター。シェルターである以上ある程度の攻撃には耐える事
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