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茶番王 裏生徒会モンスターズmemkontento
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 「……おじゃまします」
 玄関の方から凌霄(ノウゼン) 葉蓮(ハレン)の声がした。
 「はーい」
 節黒(フシグロ) 仙翁(センノウ)は答えながら、立ち上がって玄関に向かった。
 しかし盗浦(ヌスウラ) 峰年(ミネトセ)はソファに座ったまま動かなかった。
 それは至極簡単な理由で、特に動く理由が思い浮かばなかったからだ。
 ここは仙翁の家である。峰年が出向くことも無い。ゲストを迎えるのはホストの仕事である。
 しかし何故かこういう行動は非難されることが多い。
 果たして、誰が喜ぶ友情ならば、認められるのだろう。峰年はそうぼんやりと思ったところで気づいた。
 先に来たゲストがここにいるのは、珍しいことでも非難されることでもない。非難されると思っているのは峰年だけである。
(まったく……、これだから革命家気取りは……)
 峰年が内心で溜め息をついていると、仙翁と葉蓮が入ってきた。
 「峰年君、どうしたの?」
 仙翁が峰年の顔を見て、唐突に尋ねた。
 「それは私が聞きたい。いきなりどうした?」
 「ううん。なんかちょっと疲れてるみたいだけど」
 「フッ、私が疲労していたり憑依されてることなんて、よくあるだろ?」
 「まぁそうだけど…」
 仙翁は苦笑した。
 「……まぁ、相も変わらず平常通り下らないことを回転させていただけだ」
 峰年は脇に置いたデッキを手に取った。
 「……で、何をするんですか?」
 葉蓮は正方形な近い机の1辺を陣取り、用意されていたクッションに正座した。
 「いやなに、仙翁が面白いものを見せてくれると言うのでな」
 仙翁と峰年はそれぞれ葉蓮と90°の位置に座った。つまり2人は向かい合うことになる。
 「……で、今回の盗浦先輩の無茶振りはなんなんですか?」
 葉蓮は目を半分だけ閉じてぶっきらぼうに尋ねた。しかしそれはいつもの葉蓮であり、いつもより特に不機嫌というわけではないようだ。
 「今回は……」
 峰年はゆっくりと口を開いた。
 「クェーサー3体と、ハルバード・キャノン2体を出してもらう」


 裏生徒会に遊戯王の波が来たのは1週間前。
 仙翁の両親の知り合いに、様々なカードを持っている、小鶴(オヅル) 十楽(トラク)という人物がいた。ボルバルザークがプレミアム殿堂入りする前にバーレスクのデッキを編み出した男だ。
 それを偶然知った峰年が仙翁を介してその人に話をしたところ、数人がデッキを作るのに必要なカードなら大体余っているらしい。
 それを無期限に借りることによって、裏生徒会の面々は遊戯王を始めることが出来たのだ。
 「……つまり、レベル12シンクロモンスター5体ですね」
 「いかにも」
 峰年は頷いた。
 「しかし私はそれだけでは足りないと思った……」
 峰
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