暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターンEX 真紅のロードを歩む龍
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ける。どこへ向かっているのかはともかく、少なくともその足取りに迷いは一切ない。そして、どれほど歩き続けただろうか。歩き続ける彼の後ろ姿に、声をかける影がいた。

「よう、転生者。こんな夜中にどこまで行く気だよ」
「あー?わざわざそっちから出向いてくれるたぁご苦労なこったな、このストーカーの盗撮魔。さっきからじろじろじろじろ人の部屋覗いてやがって、バレバレなんだよバーカ」

 お互いに嫌味たっぷりの口調でにらみ合う二人。今度先に口を開いたのは、ユーノの方だった。

「まあいいさ。お前の用件はある程度予想できるけどな、あえて様式美ってやつに従って聞いといてやる。………一体何の用だ?」
「テンプレ通りに答えてやるよ。今すぐここで消えろ、この屑転生者が!」

 激昂して怒鳴る少年に対し、ユーノの態度はあくまでも冷静だった。そうかやっぱりか、いつかこうなるのはわかっていたぜといわんばかりに冷静に、皮肉たっぷりの口調で話しかけていく。

「消えろ、ねえ。一体どーゆー了見だ?俺シンクロもエクシーズも出してねえぞ?」
「はっ、シーラカンスがGX時代にあるとでも?原作で明日香以外が白夜龍を出したのか?万丈目のドラゴンデッキだって漫画版混じってんだろうが。わかったか屑野郎、お前らのせいで原作はもう十分以上にメチャクチャなんだよ。だからさっさと消えちまえ」
「メチャクチャのメチャはハチャメチャのメチャ、だな」
「は?一体何の話だ」
「うんにゃ、こっちの話。それで?要するにお前は俺が許せない、と?」

 それは、彼なりの最終通告。もっとも彼にとっては、ここで話し合いで済むならそれもそれで悪くない、といった程度の認識であり最初から実力行使する気満々だったのだが。そんなことを考えているとは知る由もない少年……いや、転生者狩りの返事は案の定、右腕のデュエルディスクの起動だった。

「ああそうだ、この原作破壊者め。もういい、お前とは話すつもりもない。転生者、お前はこの場でこの俺、富野が消し去って最初からこの世界にいなかったことにしてやる!」
「そもそも俺、転『生』者じゃねーんだけどな。幽霊だし。しかしこれ、傍から聞いてりゃ完全に俺が悪者だな。ふむ、なら悪者っぽくやってみるか。………さあ、よからぬことを始めようじゃないか!」

「「デュエル!!」」

「先攻は俺だ!俺は手札のハンマー・シャークを召喚!そしてその効果で、自分のレベルを下げてフィッシュボーグ−アーチャーを守備表示で特殊召喚するぜ」

 ハンマー・シャーク
効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻1700/守1500
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
このカードのレベルを1つ下げ、
手札から水属性・レベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する。


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