第三話
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「怪我は無いか?」
いきなり現れた人間に少女が遅れて返事をする。
「は・・・はい!」
「よし・・・・」
問題は目の前の意味不明な動物だけだ。リアンは静かに超硬質ブレードを構えた。
(ブレードも何故か全てあるんだよな・・・・2枚くらい捨てたのに・・・・)
立体起動装置は人間が巨人と戦えるようにする為の装置だ。ガスを燃料にしてガスの噴出と射出したアンカーで跳躍し、巨人のうなじを切る。要は力とか大きさで適わないから機動力で巨人と戦おう、という装置である。
剣の持ち手にはアンカーを射出する為のトリガーが付いており、ブレードが交換できるようになっている。
(敵は三体か・・・順番に右から倒そうかな)
頭の中でどう攻撃するかすぐに思いついた。どうするか決めたリアンは自分の中で地面を蹴るタイミングを合わせた。
ダンッ!!
足で地面を蹴る音がなった。右のランポスに一気に距離を詰め、首をブレードで切り裂く。
ザシュッ!
血しぶきが上がりランポスが絶命する。リアンは体を左に傾けもう片方のブレードで攻撃した。
「ハアッ!」
少々無理な姿勢で攻撃したからか絶命させるのは無理だったが致命傷に近い傷を与えた。
態勢を立て直し左のブレードでもう一回攻撃する。
今度こそ絶命させた。
(あと一体だ。)
リアンは最後のランポスに向き直り、しばらくブレードを前に構えた姿勢のままで息を整えた。
最後になったランポスは仲間が死んでしまったからなのか狼狽えた様な表情を見せた。
次の瞬間、ランポスは意味不明な行動に出た。
(・・・・・・・・ん・・?)
硬直していたランポスが動きを見せた。リアンから距離を取り首ごと口を上に向けた。
「なんだ・・・・・?」
ランポスが低い鳴き声で鳴き始めた。
まさにオオカミの遠吠えと言った感じだ。森にランポスの低い鳴き声が響いている。
(なにをしてるんだ?)
あの鳴き声にどんな意味があるのか知らないが、聞いているうちに恐怖を感じるようになった。
五感が研ぎ澄まされ葉のこすれる音までが耳に入り、本能が危機を察知し恐怖を漂わせた。
とっさに回りを見渡した。後ろにいる少女が目に入ったが、少女もまた自分と同じ恐怖を感じているようだった。
体が恐怖によって動かない。いや、本能がさっきから危険を訴えているのに目を前から離してはいけない気がした。
何かが近づいて来る。気配は次第に五感を伴った確信に変わり、リアンはブレードを握っている手に力を入れた。
空気が粘着質の物質にかわり体に纏わりついたようだった。
底冷えする冷た
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