第五十話 地ならし
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の件も説明した。ラインハルトはちょっと哀しそうな表情をしたが已むを得ない事だと言ってくれた。
意外とサバサバしてると思ったが本人はこれを機にブリュンヒルトをもう一度造る気のようだ。ラインハルトなりに改造したい部分も有るのだろう。まあ総旗艦だし戦争も無い、一隻ぐらい費用度外しで作ったって文句は出ないだろう。皇帝の座乗艦でもあるのだ。
ブリュンヒルトが出来上がるまで一時的に帝国軍総旗艦はマーナガルムになる。ラインハルトは結構マーナガルムが気に入ったらしい。ということで俺はしばらくユリシーズを使用する事になった。いずれ俺の艦隊はメルカッツの艦隊になる。ブリュンヒルトが出来上がったらマーナガルムはメルカッツの旗艦になるだろう。
ブリュンヒルトの件を除けばラインハルトは頗る上機嫌だ。何と言ってもガンダルヴァ星域の会戦を終わらせたのは自分だと言う自負が有る。誰にも負けなかったと満足なんだろう。子供っぽい自負心だが上機嫌なんだ、大目に見ても良い。
レベロとの話し合いも悪くなかったようだ。レベロはエル・ファシル公爵領の提案を受け入れる事で合意した。彼は初代エル・ファシル公爵になるが直ぐに選挙を行ってエル・ファシル公爵を選び直すそうだ。戦争に負けたからな、国を滅ぼしておいて公爵とはどういうことだという批判も出るだろう。已むを得ない事ではある。その辺りも含めてラインハルトと調整済みの様だ。
問題はエル・ファシルと同盟市民にどう説明するかだが、それについてはレベロが今エル・ファシルの自治政府と極秘に話し合っているらしい。同盟は降伏したが今後の事は帝国と同盟政府で交渉中という事で伏せている。内容が発表されれば一番問題なのは人間の移動だろうな。エル・ファシルは人口三百万程度の有人惑星だ、同盟市民が移りたいと言っても限界が有る。その辺りをどうするか……、まあ知恵を絞ってくれ。
レベロが俺と会いたがっているらしい、後で奴の所に行かないと……。恨み言の一つも言われるんだろうな、愚痴も……。しかしその程度は聞いてやらないとな、結構俺の所為で苦労してるんだから。少しは労わってやるか……。でもなあ、俺を労わってくれる人間は何処に居るんだ?
さてと、そろそろラインハルトの執務室に着くな。ラインハルトの執務室はホテル・ユーフォニアにある。原作だとロイエンタールが新領土総督府を開設したホテルだ。ちなみに俺の居住部屋もこのホテルだ、俺だけじゃなく他の高級士官もここに居る。一カ所にまとめた方が警護し易いからな。その分警備は厳しい。
執務室にはラインハルトの他にヒルダとシュトライトは居たがリュッケは居なかった。
「良く来たな、私に話が有るとのことだが」
「はい、少々ご相談を」
「卿が何を言い出すか不安でもあるが楽しみでもあるな」
御機嫌だな、ライン
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