魔法先生ネギま!
番外編016話 その頃のSEED世界
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通信用モニタが起動していた。もちろんこの司令室にいる者がやったのではない。恐らく先程からハッキングを仕掛けてきている者の仕業だろうと見当はついた。
「……貴様は、誰だ」
半ば呆然としながら呟く所長。だが、そう尋ねながらも半ば映像に映し出されている女に心を奪われている。
桃色の髪に大胆に肌を露出している改造軍服。そして目を引きつけて止まない程の美貌。
ただし、その美貌の中で目だけが異彩を放っていた。極寒とも言える視線でこちらを見据えているのだ。
「貴方が先程自分で言ったでしょう? シャドウミラー、よ。ここはブルーコスモスの研究所で間違い無いわね」
「……」
映像に映る女の声に無言で返す所長。既にハッキングを受けてデータを荒らされているのだから、今の問いにしても一応の確認という以上の意味は無いのだろう。
それでも最後のあがき、とばかりに男は何とか口を開く。
「ここは確かにブルーコスモスの研究所だが、シャドウミラーに襲われる謂われは無い! さっさと引き取ってくれ!」
「ふふっ、馬鹿ね。ブルーコスモスの施設というだけで問題はあるのよ。現在ブルーコスモスは、数日前に行われたシャドウミラーに対するテロ容疑が掛かっているわ。当然この施設もブルーコスモスの研究所である以上は捜索対象の1つよ」
笑みを浮かべながらそう告げてくる女だが、その目は決して笑っていない。その眼光を見ただけでモニタに映っている女が内心どれ程に怒り狂っているのかという事を感じ取れてしまうのだ。
この研究所の所長にとって不幸だったのは、彼はあくまでも研究員であって軍人ではなかったという事だろう。その目で改めて見据えられただけで腰を抜かしてしまったのだ。
「ひっ、ひぃっ!」
「……これからそちらの研究所の捜査に向かうけれど、これ以上の反抗は己の命を縮めるものと考えなさい。キラ、もういいわ」
冷酷とも言える宣言と共に、映像はプツリと切れる。残されたのは映像に映し出された女――レモン――の殺気染みた雰囲気に飲み込まれて身動き一つ出来ない司令室の面々だけだった。
こうしてロドニアのラボはシャドウミラーによって接収される。本来の歴史上ではファントムペインとして活動する筈だったスティング、アウル、ステラといった3人や、クーデターを起こして皆殺しにされる筈だった被験体達もオーブやシャドウミラーに接収され治療を受ける事になる。
また、他にもブルーコスモス関係の組織や研究所といったものは根こそぎシャドウミラーの強襲に遭いSEED世界でのブルーコスモスはその勢力を著しく弱めていく事になる。
尚、その強襲の指揮を取っていたのはアクセルの恋人であるレモン、コーネリア、マリューの3人であったのは言うまでもないだろう。
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