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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第20話
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ない、アドレナリンが湧き出るような、夢みたいなシチュエーションを!

「『初陣』だ…!行くぞ、『ヴァンガード』!!」

ステージに向かって駆け出す。同時にヴァンガードを起動、展開されていくISの状態が完璧な事を確認ながら、なおも駆け、ゲートを抜けた瞬間高く跳躍。そして力強く着地した。

この時、ゼロの言う派手なパフォーマンスとやらを実践してみようと思い、登場の仕方にインパクトを付けようと思ってやったのだが、後に観戦していた一夏達にこう言われた。

『登場からして見物だった』、と。

「待たせた」
「………(カッコイイ…)」
「ん?」
「!! あああ、いや、な、何でもない!」
凛々しく仁王立ちで待っていたかと思えば、呆けてみたり慌ててみたり。

そんな木之本葵のISは、燃えるような紅蓮の、王族が羽織る全身を隠すような外套状の装甲を装備した機体だ。防御を重視か?いや、そんな簡単なコンセプトなら、調整が難航する訳がない!

「それが本当の姿じゃないんだろう?」
「その通り。私の『インペリアル・ダンサー』は、今こそその凶暴性を見せる!」

葵の瞳が一瞬輝き、ISが形を変える。

装甲が2つに分かれて折り畳まれ、両肩と胸元の装甲になる。

脚もブーツからヒールに変化し、ティアラの様な頭部センサーが展開され、葵が腰に両手をあて、自信満々に言う。

「拘束解放(アンバインド)!どうかな?」
「凄いな。本当に凄い。なら俺達も、『出し惜しみ』は出来ないよな、ヴァンガード!」

俺の呼び掛けに反応するように、背後のスラスターが光を放つ。光が収まると、『四基』だったスラスターが、『六基』の翼状の機動ウイングに変わっている。

「これが、ヴァンガードの新しい形だ!」

実は、装甲が変化したさいにスラスターも変わっていたのだが、奥の手として展開せず、今まで通りのスラスターで訓練をしていたのだ。

「今日が楽しみで仕方無かった」

葵の右手が薄く輝き始めている。センサーが、警告を発し始めた。

「…俺もだ…」

俺も俺で右手にエネルギーを纏わせる。手刀を作り、エネルギーの刃を成す。

開始の鐘が鳴ると同時に、互いに一手を撃っていた。

葵の紅の光線を、エネルギーを纏った手刀で切り裂きながら葵に近付く。

「木之本葵!」
「丹下智春!」

二人の声が重なる。

次の言葉は、全く同じだった。

「「勝負だ!!」」
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