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真剣で武神の姉に恋しなさい!
板垣家へ
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千李が準備を始め少したち板垣家に鼻腔をくすぐるいいにおいが漂い始め。自然と天使達の鼻が動き始めた。

「ウチ……これだけでご飯三杯いけるぜ」

「あめぇな天。俺だったら五杯はいける」

「いや間違えた八杯だわ」

「じゃあ俺は十一杯」

 二人のレベルの低い争いに亜巳がため息をついていると台所から鍋を持った千李がやってきた。

「はい。おまちどーさん」

 そういいながら千李はちゃぶ台の上においてあるガスコンロの上に鍋を置くと後から来た辰子と並んで食卓についた。

「よっしゃあ!食うぜー!!」

 天使が箸をもち肉を取ろうとしたところで千李が静止する。

「待った。食べる前にはいただきますを言いなさい」

「うぇーーー!?」

「うぇーーーー、じゃない。ほら手を合わせて……じゃないと」

 千李はいいながら指を鳴らすそれに天使は箸をおき背筋を伸ばす。

「なにもそこまでしなくてもいいんじゃないかい?」

「はい?」

 亜巳の言葉に千李は光の灯っていない目で睨む。その光景にさすがの亜巳も恐れをなしたのか動揺しながら答えた。

「わ、悪かったよ……」

「わかればいいです。では……いただきます」

「「「「いただきます」」」」

 千李の号令とともに皆が続きその後一気に食べ始めた。

「ああ!?おいリュウ!!その肉はウチんだぞ!!?」

「名前なんて書いてねーだろうが!速いもん勝ちだ!!」

「ほらほら喧嘩しないでー。まだまだいっぱいお肉あるんだからー」

 天使と竜兵がまたも喧嘩を始めたが辰子が言うと今度は収まった。肉があるからだろう。

「確かに松阪牛の肉だけあってうまいねこれは」

 亜巳も肉のうまさに思わず舌鼓を打つ。

「うん。すんごくおいしいよねぇー。ありがとうセンちゃん」

 亜巳の意見に辰子も続き千李に礼を言うと千李はあまり気にした風もなく軽めに返した。

「気にしないでって。それよりほら速く肉入れないと飢えた野獣たちが……」

 千李の視線の先には既にあらかたの肉を平らげた二匹の野獣がいた。

 辰子もその様子に苦笑を浮かべながら肉を投入していった。

 その後も五人でわいわいと楽しみながらすき焼きを平らげた。結局釈迦堂はすき焼きがなくなるまで帰ってこなかったが。

 

「いやー食った食った。サンキューなセン姉!」

 膨れた腹をさすりながら天使は千李に礼を言った。

「喜んでいただけてなによりよ。っとそれじゃあ私そろそろ帰るわ」

 千李は時計を確認すると荷物をまとめ帰り支度を始めた。

「もう行くのかい?まだゆっくりしてってもいいんだよ?」

「いや。明日学校ありますし帰りますよ」

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