板垣家へ
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使なぞはすでによだれを滴らせている。
「こらこら。まだだって亜巳さんが帰ってくるまで待ちなさっての」
「お、おう!でもその材料からしてすき焼きなんだろセン姉!!??」
よだれをたらしながら這いよってくる天使に千李はドヤ顔で答える。
「大正解♪」
「いいいよっしゃああああああああ!!!!やったなリュウ!」
「おうよ!!久しぶりの肉だからなたんまりと食うぜ!」
歓喜の声を上げる二人を見ながら千李が苦笑していると玄関が開けられる音が聞こえた。
「まったく。なにを騒いでんだいあんたらは」
帰って来たのは板垣家長女の亜巳だった。
「亜巳姉。おかえりー」
「ああ、ただいまタツ。それよりこの騒ぎは……って千李じゃないか」
亜巳は千李に気がつき声をかける。
「お久しぶりです亜巳さん」
「ああそうだね。本当に久しぶりだ。ところでこの騒ぎはどうしたってんだい?」
いまだに嬉しさのあまり跳ね回る二人を見ながら亜巳は千李に問うた。
「実は私が今日せっかくなんでみんなで夕食でもどうかと思って肉を買って来たらこの有様で」
「なるほどね。だったら頷けるよ。ところで肉は何処の肉なんだい?」
冷静を装っていても亜巳も気になるのだろう。少し恥ずかしそうに千李に聞いてきた。
千李はそれに悪戯っぽい笑みを浮かべながら告げた。
「松阪牛のA5ランクですよ」
瞬間時が止まった……ような気がした。
一瞬の沈黙の後板垣家から天が割れんばかりの大絶叫が聞こえた。
その場にいた辰子、千李、亜巳を除いた二人。
すなわち天使と竜兵が先ほど以上の歓喜の声をそろってあげたからだ。
二人の絶叫をとめるべく千李が指を鳴らし始めると二人は静かになり床にひれふした。
「す、す、少しは落ち着きな天。それにリュウ」
亜巳も二人を見ながら言っていたが明らかに目が泳いでいる。
「亜巳さんもねー」
「わ、わ、私は落ち着いてるさ」
千李に言われ否定する亜巳だったがやはり目が泳いでおりまったく落ち着いていないことが丸出しだ。
「まぁそういうわけなんで。そろそろ食べる?」
「あれ?師匠は待ってなくていいのー?」
千李の食べる発言に辰子が小首をかしげながら聞くが千李は軽く手を振りながら答える。
「いいのよ。いない方が悪いんだから」
その発言をきいた天使が動いた。
「それもそうだな!!よっしさっさと準備しようぜリュウ!!」
「おう!」
天使と竜兵は二人で皿を出してスタンバった。
二人の行動に苦笑しながらも千李は辰子とともに台所に立ちすき焼きの準備を始めた。
辰子と
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