十一話
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読み。既に暗部である彼らにも、戦いの行方は全く予想できないものとなっていた。
「埒が明かないな……それなら!」
「来るか!」
二人が同時に印を組み始める。組まれていく印は二人とも同じもの。うちはが得意とする火遁。その中でも基本となる忍術。
――――火遁・豪火球の術!
二人の丁度中心で、巨大な火球がぶつかり合う。火球は周囲を焼き、一気に温度を上げていく。だが、何時まで経っても火球のきっこうが崩れることは無い。これ以上豪火球をぶつけ続けても無駄だと悟ったのか、二人はまたしても同時に、術を解除した。
「カカシ!」
「オビト!」
そして始まるのは忍術合戦。カカシはこれまでに千以上の術をコピーしたと言われる忍び。これまでにコピーしてきたありとあらゆる術を用いてオビトを攻め立てる。
だが、オビトとて大蛇丸を通して多くの術を見て来たのだ。その中には禁術に指定される様な強力なものも多く、それらを用いて何とかカカシに追いすがる。
「くそっ!」
忍術合戦に移行してからは明らかにカカシが有利に立っていた。そう、有利にたっていたはず、だったのだ。だが、今の戦況を見てみればどうだ。互角。そうとしか言い表せない程に押し返されている。
(やはり、うちはか!)
この戦況の変異の理由を、カカシは何となく悟っていた。オビトの、うちはとしての才。たとえ体が違えども、オビトはうちはなのだ。ならば、彼こそが写輪眼を巧く扱える。
「それでもっ!」
自分は負けられない。負けるわけにはいかないのだと、カカシは己を奮起する。
――――雷切!
「いくぞっ! オビトォッ!!」
右手に蒼き雷を宿し、カカシはオビトへと疾走する。だが、オビトはそれを見ても焦ることは無く、むしろ不敵な笑みを浮かべ新たな印を組む。
「その術か。まぁ、俺達の決着をつけるには丁度いいかもな」
――――千鳥
オビトの右手にも、カカシ同様雷が宿る。だが、その色はカカシの様な澄んだ蒼ではなく、濁った黒。それはまるで、オビトの憎悪を表しているかのようだった。
「おおおお!」
「ああああ!」
蒼と黒、二つの雷が交錯する。どちらも当たれば一撃で相手に致命傷を負わせる威力がある。だが、二人ともそれに怖気づいて慎重になるなんてことはなく、むしろ今まで以上に激しく相手を攻め立てていく。
だが、それも長くは続かなかった。
「ぐうっ……!」
オビトの千鳥が、カカシの脇腹を抉ったのだ。咄嗟に身を捻ったもののかわしきることはできず、致命傷と言うほどでは無いにしろ、重症であることには変わりない。
「俺の、勝ちだな」
本来、この勝負はカカシが飼っ
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