暁 〜小説投稿サイト〜
未来を見据える写輪の瞳
十一話
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
読み。既に暗部である彼らにも、戦いの行方は全く予想できないものとなっていた。

 「埒が明かないな……それなら!」

 「来るか!」

 二人が同時に印を組み始める。組まれていく印は二人とも同じもの。うちはが得意とする火遁。その中でも基本となる忍術。

 ――――火遁・豪火球の術!

 二人の丁度中心で、巨大な火球がぶつかり合う。火球は周囲を焼き、一気に温度を上げていく。だが、何時まで経っても火球のきっこうが崩れることは無い。これ以上豪火球をぶつけ続けても無駄だと悟ったのか、二人はまたしても同時に、術を解除した。

 「カカシ!」

 「オビト!」

 そして始まるのは忍術合戦。カカシはこれまでに千以上の術をコピーしたと言われる忍び。これまでにコピーしてきたありとあらゆる術を用いてオビトを攻め立てる。
 だが、オビトとて大蛇丸を通して多くの術を見て来たのだ。その中には禁術に指定される様な強力なものも多く、それらを用いて何とかカカシに追いすがる。

 「くそっ!」

 忍術合戦に移行してからは明らかにカカシが有利に立っていた。そう、有利にたっていたはず、だったのだ。だが、今の戦況を見てみればどうだ。互角。そうとしか言い表せない程に押し返されている。

 (やはり、うちはか!)

 この戦況の変異の理由を、カカシは何となく悟っていた。オビトの、うちはとしての才。たとえ体が違えども、オビトはうちはなのだ。ならば、彼こそが写輪眼を巧く扱える。
 
 「それでもっ!」

 自分は負けられない。負けるわけにはいかないのだと、カカシは己を奮起する。

 ――――雷切!

 「いくぞっ! オビトォッ!!」

 右手に蒼き雷を宿し、カカシはオビトへと疾走する。だが、オビトはそれを見ても焦ることは無く、むしろ不敵な笑みを浮かべ新たな印を組む。

 「その術か。まぁ、俺達の決着をつけるには丁度いいかもな」

 ――――千鳥

 オビトの右手にも、カカシ同様雷が宿る。だが、その色はカカシの様な澄んだ蒼ではなく、濁った黒。それはまるで、オビトの憎悪を表しているかのようだった。

 「おおおお!」

 「ああああ!」

 蒼と黒、二つの雷が交錯する。どちらも当たれば一撃で相手に致命傷を負わせる威力がある。だが、二人ともそれに怖気づいて慎重になるなんてことはなく、むしろ今まで以上に激しく相手を攻め立てていく。
 だが、それも長くは続かなかった。

 「ぐうっ……!」

 オビトの千鳥が、カカシの脇腹を抉ったのだ。咄嗟に身を捻ったもののかわしきることはできず、致命傷と言うほどでは無いにしろ、重症であることには変わりない。
 
 「俺の、勝ちだな」

 本来、この勝負はカカシが飼っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ