十一話
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物の屋上に辿り着く。突然現れたカカシを、火影を始めとしてその場にいるもの全員が驚いた。だが、風影……。カカシが決着をつけるべき男だけが、笑みを浮かべてカカシを迎えた。
「オビト! 俺とお前の決着を、つけにきた!」
それは天に響く咆哮。はたけカカシの、決意の叫びだった。
「カカシ、今度こそお前を殺してやる」
カカシが現れてからの展開は唐突だった。何故か風影……大蛇丸は拘束していた火影を投げ飛ばす様にして開放し、控えていた忍びに自分とカカシを囲う様にして結界忍術を発動させるよう指示を飛ばした。
音の里の忍びも急変した自分たちの主の様子。そして段取りとは打って変わったこの状況に驚きを隠せていなかった。だが、驚きより発せられる殺気による恐怖が優先されたのか、すばやく結界忍術を発動させ、今に至る。
「カカシよ……これは一体、どういうことじゃ!?」
そして、今場に居る中でも最も混乱しているのは火影こと猿飛ヒルゼンだろう。彼はかつての教え子と、合い討つ覚悟でこの中忍試験本選へと望んでいたのだ。だが、蓋を開けてみれば教え子の様子は急変し、自分はまるで蚊帳の外であるかのように成ってしまっている。
教授とまで称された彼でも、この時ばかりは冷静ではいられなかった。
「勝手な行動、申し訳ありません。ですが、これだけは言えます。今のあの男は大蛇丸では無く、うちはオビト。私の友であり、倒すべき、敵です!」
額当てを押し上げ、写輪眼を解放する。それと同時に、オビトもその姿を変える。忘れようはずもないその姿。カカシと同程度の年齢まで引き上げているようだが、それでも変わらない、その容姿。
「オビト……」
「カカシ……」
今、片目だけの写輪眼の視線が交差する。
「オビトォオオオオオオ!!」
「カカシィイイイイイイ!!」
最高の友との戦いが、火ぶたを切った。
拳と拳が交差する。
はたけカカシとうちはオビト。二人の戦いはまず、体術合戦となっていた。一時期は暗部にも所属し、ここ一ヶ月間で徹底的に自分の体を鍛え直したカカシと、未熟でありながらも三忍である大蛇丸が選んだ肉体を操るオビト。技術ではカカシが。性能ではオビトが勝る二人の戦いは互角の様相を呈していた。
「す、すごい」
「これが、写輪眼同士の戦い……!?」
外野で二人の戦いを見守る暗部は、驚愕を隠せなかった。確かに、二人は非常に高いレベルでの攻防を行っている。だが、暗部が驚いた理由はそれだけではない。
「……また!?」
二人の攻防。その中に組み込まれる相手の行動を先読みしての攻撃。そして、さらにそれを読んでの防御。
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