マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
Swordsgirl―女剣士
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『ちゃんと伝えたんだろう?あの子は無駄死に願望が有るわけでもあるまい』
「聞き耳持つ子でも無いがね。……もって後数ヵ月……いや、『桜』の気分次第で幾らでも変わり得るよ」
『やれやれ……』
国際電話越しに聞こえる夫の声は心底悩ましいという色が混じっている。実際問題、今の水城家にとって『山東桜』の存在は非常に厄介なモノだった。
本家の山東家跡取りの正妻であり、水城家次期当主候補三位であり、螢と同じく雪螺が作り出した《化け物》だ。
いや、螢と違って《成功例》であるからなおのこと質が悪い。
『ソレを抹殺しろ……だっけ?全くお上も無理難題を押し付けるね。しかも弟に』
「難題ならまだ解きようはある。問題なのは『解なし』の場合だよ。現状、水城家の力では山東家を抑止出来ない。清月が気紛れで動いたらプチっと潰されるのがオチさ」
『……世の中上手くいかないものだね。ともかく、2ヶ月だ。螢によく言い聞かせてくれ、僕からって事で』
「うむ。……時にはるくん」
『……何だい、雪螺さん。イキナリそんな呼び方して』
「送られてくる定時連絡にいっっっっっつも金髪美女が写っているのはどぉしてなのかな?」
『……夜更かしはいけないよ、マイワイフ。グッナイ!!』
「……………」
帰ってきたら是非ともぶん殴ってやろう。携帯端末を置きながら雪螺はそう決意した。
視線を手元に写し、表情を打って変わって険しいものに変える。
『診断書 患者・水城螢』
『先日の《不完全解放》の影響についての報告』
『診断結果 精神の後遺症は軽微。変動値は自然治癒が可能』
『肉体損傷なし。ただし、脳への異常負荷により、今後の如何によっては《完全解放》状態になる可能性がある』
『よって、今後の戦闘行動は不可と判断』
『以上の結果をホークスに報告』
『金城総帥は及び委員会は待機命令を検討するとのこと。以上』
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