マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
Swordsgirl―女剣士
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くしゃみが森の家に響いた。
―――その後、レイがどうなったかは言うまでもない。
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「―――《ゼッケン》?」
「運動会でもするの?」
「んな訳ないでしょ!」
イントネーションをわざとそれっぽくした2人の見事な連携ボケにびしっとツッコンだリズは記憶を探るように天井を向きながら言った。ALOに最近現れた《絶剣》なるプレイヤーの噂話は俺も少しは聞いていた。
「噂をよく聞くようになったのは、丁度年末年始のあたりだから……アスナが京都に行ってる間だね。……そう言えばあんたは何をしに京都行ってたのよ」
リズが思い出さなくていい事を思いだし、話を中断したので俺は無理矢理話を戻す。
「色々だ。んで?」
「……怪しいわね。まあ、いいわ。……絶剣さんはデュエル専門のプレイヤーで24層のおっきな樹が生えた小島で辻デュエルしてんのよ」
「ふうん?有名人か?」
「や、まったくの新顔らしいよ。スキル値は相当高そうだから、他のゲームからのコンバートじゃないかな?」
その他、コンバートして来たばかりの割に《飛行システム》も難なく使いこなしていることや、辻デュエルで賭けているのは11連撃のオリジナルソードスキルで未だに実戦で使用させたプレイヤーは居ないとのこと。
「うーん。それで、その辺ソードスキル開発者としてはどの様にお考えですか?レイ先生」
「…………。まぁ、確かに10連撃級はその系統の必殺技レベルだったからな。作るのは容易じゃないが、実際には20連撃級まで作れた訳だから……。ただそこまでの連撃数だと技後硬直も反比例して長くなる。例え使われたとしても逆に考えればチャンスだ」
「だから使わせるまでが大変なんだってば。とにかく通常技もソードスキル並みの速さで軌道すら読めないわよ」
「んー……。その辺は……誰にでも出来るって訳じゃないんだが……」
口で説明しても分からないだろうと思い、席を立って居間の広いスペースまで移動すると、懐から小太刀を取り出す。
「いいか、当たり前の事だが剣を振るうのは基本的に腕だ。その特性上、動きには絶対に微小な予備動作がある」
半身になって小太刀を中断に構え、その体勢から一歩踏み込みながら高速で斜めに刀を振り払う。
刀自体は残像を残しただけで視認は出来なかったが、腕の動きははっきりと見えた筈だ。
「斬撃の時、腕は半円軌道を描く。よって、肩付近の動きは丸見えになるわけだ。ゲームとはいえその動きがいきなりトップスピードに達する事はないからその動きを読めば回避は可能だろう。これは突きの動きでも然りだ。確かに突きは斬撃より予備動作が少ないが、
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