マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
Swordsgirl―女剣士
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はやらんぞ」
「……ええー」
VRMMOで本気で戦うこと。それはもう『ゲーム』ではない。超人達の間では彼など下の下も良いところではあるがそうでない者達とは、やはり一線ある。
「それに、早く終わらせないとそのデュエルの時間も無くなるぞ?」
「「「げぇ……」」」
後3日となった冬休み。夏同様にギリギリまで課題の予定が立て込んでいるのを強制的に思いださせられた一同はこの世の終わりを告げられた顔になる。
「コツコツやらないからそうなるんだよ?」
にこやかに言いながらレポートの文章を打ち続けているアスナは流石に余裕の表情だ。
「あ、あたしは最後に巻き返すタイプだから大丈夫!」
「うむ、慌てても仕方ない」
と言いつつ、粘り強く現実逃避に走るリズとキリト。
「もう……」
「やれやれ……」
呆れ返る俺とアスナはふかーくため息を吐くのであった。
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そうは言っても人間の集中力と言うものは長く続かないものだ。
アインクラッド時代の通常戦闘やボス戦では少しの気の緩みが死に直結した。連続での戦闘は極力避け、どうしてもという時は逃げるのが一般的だった。
それ故か、『集中力』というものが鍛え上げられている(と思う)俺達が再び休憩の空気になったのは約1時間半後だった。
「う……うう……ねむいです」
女の子らしからぬ大あくびをかましながら呟くのはケットシーのシリカだ。
「もうすぐそのページも終わりじゃない。頑張って、やっつけちゃおう?」
「ふ……ふぁい……」
「ムリも無いですよ。シリカちゃんが眠いのはアレのせいだと思いますよー」
リーファの指差す方向に目を向けると、ナルホドと納得した。
揺り椅子で眠りこけているのはスプリガンの剣士。《黒ずくめ》ことキリトだ。
その上にシリカの使い魔であるフェザーリドラのピナ、さらにその柔らかい羽毛に包まれるようにしてキリト専用のナビゲーションピクシーにして、キリトとアスナの娘のユイがスヤスヤと三段重ねで寝ている。
その有り様は眠気を誘い、数秒見るだけで瞼が重くなる程だ。
「………ぬ」
頭が思わずガク、となり慌てて身を起こす。危うく術中に嵌まるところだった体を頬をつねりながら向きを変えるとアスナ、リズ、シリカ、リーファが舟を漕いでいた。
「はぁ……」
人の事は言えないにしろ、やはりここまでだとキリトの催眠攻撃はある意味危ない。寝落ち的意味で。
1人や2人だったら鼻を摘まんで起こすところだが、4人には出来ない。
暫しの黙考の末、ストレージから香辛料アイテムを取り出すと宙にバッ、と蒔く。盛大な
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