マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
Swordsgirl―女剣士
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―数日後。
あの後の夕食は流石に良家とあり、大騒ぎの大宴会という様体にはならなかったが、どこにでも悪酔いする人はいる。話が客の俺達について及ぶと、その悪酔いした人達は盛んに絡んできた。
その対応はかなり面倒だったのだが、実家での宴会と比べればかなり大人しいものだった(ウチが酷すぎるという事もあるが)。
具体的にどうゆい事があったかと言えば―――
「「「おーーー」」」
「…………なあ、もういいだろ?」
1月6日。アインクラッド22層《森の家》。そこで今は一風変わった観賞会が開かれていた。
「良いじゃない。減るもんじゃあるまいし」
「めちゃ減るわ。俺の精神的ライフが!!」
空中に展開された録画映像からは竹刀を打ち合う音が響いてくる。しかしそれは剣道というにはかなり異質なリズムだった。
打ち合う音が途切れる事は殆ど無い。何十合も打ち合い続け、刹那の空白が生じるだけだ。
「………………」
「ほらぁ、リーファがこーんな真剣に見てるんだから。途中で止めるなんてかわいそうよ」
「こんなん見たって、参考にもならんだろ……って、お前もか」
「………………」
その隣の黒い少年も映像にのめり込んでいるのを見て、俺は深くため息を吐いた。
蓮兄も蓮兄だ。自分も酔った挙げ句親父共に乗せられ、『余興』と称して『剣舞』やらされた。
相手は勿論、俺。
何故かあった竹刀を持って広い庭を使って夜空の下、酔ったせいでリミッターの外れた蓮の猛攻は最早悪夢としか言いようがない。
水城流の所謂『型』には幾つか種類がある。
怒濤の攻めを主とする《火ノ型》
流麗に敵を捌く事を主とする《水ノ型》
強固な守りを主とする《土ノ型》
先手必勝の速さを主とする《風ノ型》
そして、この世に1人しか使い手の居ない、天地無双を主とする《天ノ型》
映像では蓮が火の如く攻め立てるのを俺が捌いているのが見える。上下左右、休みの無い剣撃を的確に捌き、時に反撃するのは見ていて興奮を誘うものではあるが……。
(……客観的に見ると何ともまあ、無様だな)
VRMMOでちょこっと剣が振れる程度では分からないだろう。
しかし、彼は――VRMMOの特性上――脳にダイレクトにその有り様を感じる事によって、自分の現状を理解した。
―――結局、数日修行しただけではこの程度。
水城家内部ならまだしも、ホークス、サジタリアス、そして山東家の『超人』共には到底敵わない。ましてや―――
「レイさんっ!!」
ズイ、とリーファの顔が目の前に現れ、思考が中断される。
「……どうした?」
「この後、ちょっとデュエルしませんか?」
「……いいけど。さっきみたいなヤツ
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