暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
結城家乱入?
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のかね?」
「想像つかないぜ。……地図要るんじゃないか?」
「そ、そこまでは無いと思いますよ?」

ウチも相当大きな部類に入ると思うが、コレは別格だ。
碁盤状に整理されたその一角の大半、残りは恐らく傘下の宿屋や店で占めている。

ちなみに後方に控えている仙道さんは無表情を貫いているが、さっき口元が一瞬引きつったのを確かに見た。

蓮兄が携帯で彰三さんに電話すると、3分程で迎えが来た。暗い赤色の着物を着た如何にもな中年女性に案内され、客間に通される。昔風の家屋に相応しいその4畳半程の和室で違い棚や付書院、明障子という書院造の様子だった。

「やあ、待たせたね。いらっしゃい」
「……………」

若者3人がもの珍しげに辺りを見回していると、招待人である結城彰三と妻の京子が現れた。
彰三さんは旧知の友に会ったかのように大袈裟な身振りで歓迎してくれる。京子さんは新年の挨拶と控え目な会釈をし、彰三の隣に腰を下ろした。

「ご無沙汰してました。彰三さん」
「やあ、螢君。本当に久しぶりだね。元気だったかい?」
「ええ。昔に比べたら今は年相応の暮らしですからね」
「ははは。妙に達観しているなあ。そんな事だと、老けてしまうよ?」
「全くです。しかしこればっかりは……」

肩を竦めて見せると、2人でしばらくクスクスと笑う。彰三さんは人当たりが良く、人の中身を見て接してくれるので、特殊な境遇を持つ俺としては非常に話しやすい相手だった。
お互いの近況報告や他愛の無い世間話を京子さんや蓮兄も交えて10分ほど話しただろうか。

縁側から押し隠したような気配が涌き、注意がそちらに向く。俺の目線を辿ったのか、彰三さんもそれに気がつき、仕草で行くように促す。俺はすっと頭を下げると立ち上がり、縁側の障子を開けて外へ出た。

「よお、海斗」
「………おっす」

彼より頭1つ分上にある面をジト目で見上げ、海斗はその迫力に思わず後ずさる。

「まあ何だ……。何か用か?」

『客人』の身分たる彼のセリフにしてはおかしなものだったが、どうせ説明しなければならないだろう事を予期した螢は観念して自分から話を進める事にした。








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落ち着ける場所、という事でやって来たのは中庭の『庭園』だ。

京都名物、枯山水に始まる『和』を基調とした中に所々散見する西洋の草花。それらが不思議と調和している、まさしく現代の『花の御所』。
そこの目立たぬ隅の庵でアンニュイにため息を吐く栗毛の美少女。明るい色の振袖を見事に着こなし、その様子は文句無しの『お嬢様』、もしくは『ご令嬢』。
唯一、それを損なっているのはその憂鬱そうな表情だろう
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