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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter15「骸殻」
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人間は優しい。自分はその優しさを知っているからそれに甘えている……いや、悪く言えば『真実』を隠す為の隠れ蓑に利用している。
この胸の痛みはそこから来ている。
『私を騙したのね!』
今でも彼女のあの時の激情を顕にした姿が言葉と共に鮮明に思い出せる……。
自分はあと何回嘘をつき続けるのだろうか?彼女達に自分は本当の事を話せる時が来るのだろうか?
……彼女達は真実を知って尚、こんな血塗れて、死にぞこなった俺を受け入れてくれるのだろうか………。
「ルドガー?」
「……何でもないよ、はやて」
はやての頭を撫で、彼女は照れくさそうな仕草を見せる……。
彼女の頭を撫でるのが今では癖になっている。
そして撫でる度に『相棒』と『兄』と『彼女』との思い出が甦ってくる………。
はやてと同じように撫でられて照れくさそうにする相棒……。
幼く泣いている自分を大きな手で撫でてくれた兄……。
そして……一度も撫でる事ができないまま、自分の目の前で守りたい者を守る為、自ら自分の手を払い奈落の底へと消えた彼女……。
だからルドガーは再び選択する。自分の命の使い方を……。
わかってもらわなくても構わない。何も伝わらなくてもいい。
だけどそれでも、どうか君達を守らせてくれ……。
ルドガーが真に願うのはただそれだけだ………。
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