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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter15「骸殻」
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様子がいつも違う……。

ルドガーはティアナの声色やその揺れる瞳の見て彼女が必死に冷静さを保とうとしていたのがわかった。

(……凄い力…か………)

ティアナの言葉はもっともだ。他人から見た骸殻は確かにそう見えるだろう……。
だがルドガーは自分に骸殻がある事を決して誇った事はない。ユリウスだってそうだ。

ルドガーは知っている……。

例えどんなに強い力を持っていたとしても、大切なモノを守り抜く事は必ずできるとは限らないという事を……どんなに手を伸ばしても届かない『願い』があるという事を……。

「そう便利な力でもないんだよ骸殻は」

「というと?」

フォワードの隣にいるシャーリーが骸殻はそれほど便利ではないという事に疑問を持ち説明を求める。

「骸殻には使える限度が決まっていてな。個人にもよるが強い骸殻を使えば使う程その使用限度枠は狭まる……だからここ一番っていう状況でしかあまり使えないし、第一時計が無くては骸殻能力者といえど、変身はできない…ってな訳で時計が壊れていた時はハーフどころかクォーターにだって変身できなかったよ」

「…そうだったんですか……」

使用限度があるという事を話すとティアナも納得したのかそれ以上ルドガーに質問を投げ掛ける事はなくなった。

「そんな事情があったんか……でも骸殻っていう能力を持っていたって話してもバチは当たらんかったと思うなぁ」

「使えないモノの話しをしても仕方ないだろ?」

「それもそうやけど………まぁ何にしても骸殻の事について話してくれた事には感謝するわ……ありがとうな」

「……ああ」

礼を言ったはやてではあるが、この時からルドガーが本当の事を話していない事に何となく気付いていた。だがルドガーは『本当』の事は言っている。今はやて達に話した骸殻に関する話で『嘘』は何1つ付いてない。そう……嘘は何1つ………。

「よし!皆が知りたがってた事もその張本人から聞いた事やし、もうこのお話は終わりや!皆も気がすんだやろ?」

ルドガー以外の人間の意思を確認し、全員が了承の意を伝える。
その返答を聞いた事でルドガーは内心安堵する。流石にこれ以上追及されたらボロが出るのも時間の問題だったからだろう。しかしその安堵感はルドガーの胸に新しい痛みを覚えさせる……。この痛みが何なのかはわかっている。だが……

「ルドガー」

部隊長室から人が出ていく中フェイトが耳打ちをする。

「本当にキャロを助けてくれてありがとう。だから……もう1つの“お話し”は感謝の気持ちを含めてって意味で、なかった事にしてあげるね」

いたずらめいた笑顔を最後にルドガーに見せフェイトは今度こそ部隊長室を後にする。
……ああ、そうだ……。こんなにも彼女は…六課の
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