兄妹発覚〜
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亮〜
「ふぅ・・・間に合ってよかったよ」
俺はため息を吐きながら自分も回復させる。
「詠さん、平気ですか?」
「ええ・・・最っ高の気分よ・・・」
人の姿に戻った亞莎が詠に肩を貸していた。詠は入口付近で倒れており、亞莎に任せたのだ。
「・・・ええっと、亞莎ちゃんに詠ちゃん・・・なんだよね?」
リーファが怪訝そうに聞く。
「そうよ。それ以外の何かに見える?」
「見えてると思いますよ・・・」
その時、キリトが立ち上がった。
「ありがとう、リーファ。でも、あんな無茶はしないでくれ。これ以上迷惑はかくたくない」
「迷惑なんて・・・あたし・・・」
キリトはすぐにまた内部に進もうとする。
「おい、兄貴・・・!」
「き、キリト君!!まって・・・無理だよ!」
「そうかもしれない・・・でも、行かなきゃ・・・」
そう言ったキリトにリーファは・・・抱きついた。
「もう・・・もう止めて・・・いつものキリト君に戻ってよ・・・あたし・・・あたし、キリト君のこと・・・」
・・・その言葉・・・リーファはもしかしてキリトのことを・・・
「リーファ・・・ごめん・・・あそこに行かないと、何も終わらないし、何も始まらないんだ。会わなきゃいけないんだ、もう一度・・・」
キリトは息を一度吸ってから続ける。
「もう一度・・・アスナに・・・」
その時だった。リーファが目を見開き、後退った。
「・・・いま・・・いま、何て・・・言ったの・・・」
キリトはリーファを見て言う。
「ああ・・・アスナ、俺の捜している人の名前だよ」
「でも・・・だって、その人は・・・」
リーファが震えながら・・・口にした。
「・・・お兄ちゃん・・・なの・・・?」
「え・・・?」
「・・・?」
そしてハッとした表情でリーファは俺を見る。
「じゃあ、じゃあ・・・亮お兄ちゃん・・・?」
「ーーーー!」
それで察した。その呼び方をする奴なんて・・・この世界には一人しかいないから。
「スグ・・・」
「直葉・・・なのか・・・?」
リーファがそれを聞いて更に後退る。
「・・・酷いよ・・・あんまりだよ、こんなの・・・」
そう言ってリーファは・・・直葉はウィンドウを操作し・・・ログアウトした。
「お、おい、スグ!?」
キリトが慌てて追いかけるようにログアウトする。俺もウィンドウを操作する。
「亞莎、咲、詠。悪い、少しログアウトする!」
「は、はい」
「・・・」
座ったままの咲を横目に俺はログアウトボタンを押した・・・・・・
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