兄妹発覚〜
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が手に水を汲み、直葉のジャージの襟首を引っ張り、露になった背中に水を・・・冬場のほぼ氷に近い水を投下した。
「ぴぁーーーーっ!!」
次の瞬間、聞いたことのない悲鳴を上げながら直葉が飛び跳ねた・・・・・・
早貴〜
「ううん・・・」
やば・・・アミュスフィア付けたまま寝ちゃった・・・
「あ、起きたの?」
「里香・・・うん、メンテがあるからログアウトして・・・そしたらうっかり感覚が戻った後も寝ちゃった」
「あはは。・・・朝ごはん何がいいー?」
「軽いのでいいよー」
「了解ー」
里香がそう言って部屋から出ていこうとした時・・・チラリと・・・袖から白い何かが見えた。
「・・・里香!」
わたしは痛む足を無視して立ち上がり、里香に近寄る。
「へ?・・・ちょ、無理に動い・・・!?」
里香の肩を掴んでから、腕を持って袖を捲り上げた。・・・そこには白い包帯が巻かれていた。
「・・・どうしたの」
「・・・何でもないわよ。ちょっと転んだ・・・「嘘でしょ」・・・っ」
「そんなありがちな言い訳で騙せるわけないわよ」
すると里香はわたしの腕を振り払う。
「なんでもないってば!早貴には関係ないでしょ!?」
だがわたしはそれにカチンと来て、里香の両肩を掴んで壁に押し付けた。
「嘘だよ!絶対わたしに関係があるんでしょ!」
ここまで躍起になるのも、里香の反応からだった。もし最初の時点できょとんとしたり、冗談混じりだったらわたしもスルーした。けど・・・里香はさっきからわたしの目を見てはいなかった。それは隠し事をする子供のようで・・・要するに、分かりやすかった。
「里香!」
わたしが怒鳴ると・・・やがて里香は観念したのか口を開いた。
「・・・昨日、早貴の手当がしやすくなるように薬局にいったのよ。・・・そうしたら途中で変な集団に絡まれて、『あの女の知り合いだな?』って・・・知らんぷりしてたら無理矢理連れてかれそうになった」
「・・・っ!?」
「一応大声で助けを呼んだらアイツら逃げていったけど・・・その時の揉み合いで怪我しちゃって。・・・あ、安心して。早貴のことは話して・・・」
「そんなのどうでもいい!!」
「・・・っ」
「わたし言ったよね!?何かあったら引き渡してって・・・!もしかしたらお姉ちゃんと同じようになっちゃったかもしれないんだよ!?」
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