兄としての矜持
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の繰り出した剣技が逸らされ、篭ったエネルギーがベクトルを変え無意味な空気中に散っていく
「はぁぁぁ!」
気合いと共にキリトはスキルコネクトを成功させる
いつかはできるとは思っていたがこのタイミングで成功させるとか、これだから主人公は……
嫉妬に沈みそうになる意識を落ち着けて俺もスキルコネクトで技を繋ぐ
片手剣六連撃オリジナルソードスキル、ミスト・スプリット
これもサーキュラー・オービットと同じく相手の攻撃を弾くことに特化している。異なるのは連撃数と属性、そして技の重さだ。サーキュラー・オービットが芯をしっかりと残して、そこを基点に相手の攻撃を弾くのであれば、ミストス・プリットは基点を作らずむしろ相手に合わせて変化させることで相手の攻撃を逸らすという目的で作ったソードスキル
属性は水八割、物理二割
オリジナルソードスキルシステムは本当に痒いところに手が届くものだな
さて、そろそろ決めようか
そう心で決め、口早に呪文のスペルを唱える
俺のスペル詠唱を聞いてキリトが顔色を変えるがキリトも俺と同じくソードスキルを使用中だ
中断はイコール命取り。俺のように思考を分割し、スペルを唱える技術も持っていない
つまり、キリトには座して待つしかできることがない
そして、ソードスキル同士の打ち合いが終了するそのすぐ前に詠唱を終え、魔法は発動した
発動した魔法の名前は風属性魔法のウィンドストーム
基点を決めて、そこから半径一メートルの竜巻を発生する魔法である
魔法的な攻撃力が付与されてはいるものの所詮は風。ある程度固い装備を相手が身につけていればまずダメージが入らない不遇な魔法らしい
そもそもハリケーンや台風が多大なる被害を発生させるのは、風そのものではなく、風によって巻き込まれた塵や砂、石などの固形物が原因である
ちなみに鎌鼬も原理はほぼ同じである
ここまで説明してなにが言いたいのかと言うと、ないなら加えればいいだけの話だということだ
ウィンドストームが発動すると同時に地面の中(・・・)に潜ませておいた鋼糸をキリトに纏わり付かせた
もちろん、キリトほどの筋力があれば古びて硬化してしまった輪ゴムのようにちぎれてしまうが、それは計画通り
今回使った鋼糸は単純に一本が一つのアイテムというわけではない。五センチほどの小さな鋼糸を無数に繋げた集合体なのである
つまり、一部が耐久度がゼロになって消滅しても、一気にすべてが消えてしまうということはない
さらに鋼糸を地面から引き上げたときに地面から投擲用の武器として使える石や土の塊がかなりの数舞っている
結果としてウィンドストームは鋼糸の切れ端や塵を巻き込み、キリトに襲いかかった
とっさに目を塞ぐキリト。目潰しが存在しないこの世界では
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