兄としての矜持
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れば、熟練者でも初見ならば何も気づくことなく落とされていただろう一撃
最速の歩方からの最短かつ剣技の中でも最速かつ防御のしにくい突き
とはいえ、キリトはこれくらいで落ちるほど軟じゃない
「ぜやぁぁぁ!」
気合い一閃。後ろに下がりながら放たれた斬撃に突きが打ち落とされる
「せぇぃっ!」
続け様に放たれた地を砕かんばかりのキリトの剛剣を右手の剣で払い流す
キリトが剛なら俺は柔
キリトが力なら俺は技
俺が踏み込んでキリトに打ち込もうとすれば、キリトは力で技術ごと薙ぎ払おうとし、キリトが俺を力で押し潰そうとすれば、力を反らし力を利用して俺が躱す
どちらも二刀流なので速度は普通の二倍
キリトが気合いの篭った声で剣を振る。俺は無言で剣を振るう
相反する属性の俺とキリトという歯車が噛み合い、一つの戦場となる
もちろん、このまま膠着状態が続くことは俺にとってもキリトにとっても好ましくない
俺もキリトも状況を打破しようと試みるも小手先の技術ではどちらの攻撃も相手の体勢を揺らがせることなど不可能な領域に達してしまっている
ならば、お互いに行き着く答えは一つであった
一旦距離を取る
「さて、第二ラウンドだ!」
「はいはい。ここまで来たんだから付き合ってやるよ」
口ではそんなことを言ってるが、内心かなり喜んでいる自分がいる
以前シノンに言われた戦闘狂という言葉が浮かび、苦笑い
再び駆け出したのは同時だった
ただ違ったのはお互いの剣が淡い光を纏っていたことだ
「そぉぉいぃ!」
キリトの大声にブーストされたような剣と俺の無言の剣が激突し、纏っていた紅い光が火花のように散った
片手剣突撃系剣技ソニック・リープ
発動が早く、射程も長い。相手との距離を詰めるのに優秀な技だ
属性は火が三割。物理が七割
メジャー故に俺もキリトも同じ技を繰り出していた
即座に俺はスキルコネクトで技を繋ぐ
片手剣五連撃オリジナルソードスキル、ブリーズ・スクラッチ
名前の通り軽い斬撃を不規則に重ねる技である
その利点はとにかく速いことだ
ノックバックは少ないものの、元々受け流す方が本職な俺にとってはノックバックはあまり重要ではない
「くォッ!」
ソニック・リープの短い硬直が終わったキリトは最後の二撃をギリギリで弾く
そして、弾いたあとキリトの剣が鈍い光を帯びた
それを迎撃すべく次に俺が発動したのは
片手剣四連撃オリジナルソードスキル、サーキュラー・オービット
手首を基点に剣を回転させるオリジナルソードスキル。相手の攻撃を回転に巻き込み、弾くことに特化したものだ
属性は水五割、物理五割
金属と金属のぶつかり合う音ともにキリト
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