第16話 子供で駄目な時は無理せず大人に助けて貰おう
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試して駄目だったじゃないか!」
そう、以前フェイトはなのはの中に寄生しているジュエルシードを抜き取ろうと試みたが、駄目だったのだ。
なのはの体内にあるジュエルシードは既に体全体に根を張っており、容易には取り出せないようになってしまったのだ。
下手に取り出そうとすればそれだけでジュエルシードは起動してしまう。乱暴な扱いは出来なかったのである。
「でも、このままじゃ本当になのはは怪物になっちゃうかも知れない。そうなってからじゃ遅いんだよ! それに、私はなのはと戦いたくない!」
「……分かったよ。フェイトが其処まで言うなら、私もついていくしかないからね」
心底嫌そうにしながらも、アルフは同意してくれた。それから、すぐに二人は支度を済ませた。
簡単な衣服を身に纏い、今まで集めてきたジュエルシードをバルディッシュに収め、アルフはなのはを背負い屋上にまでやってきた。
「それじゃ、行くよ」
「はいはい、あぁ……憂鬱だなぁ」
フェイトはそうでもないが、アルフは心底嫌そうな顔をしている。アルフが言うその鬼婆と言うのに真相があるのだろう。そして、それを知る為には、その鬼婆に実際に会うしかないと言う事になる。
***
戦闘を終えて戻って来るなり、銀時達は怒涛の勢いで飯をがっつく事となっていた。普段余り食事を摂らない新八でさえも、既にご飯を3杯おかわりしている始末である。
「おいおい、一体どうしたんだよ銀さん。今日はやけに食べるじゃないか?」
「あぁ、ちょいと動物園を脱走したマウンテンゴリラに巻き込まれちまってな」
口いっぱいに何かを頬張りながら銀時がそう答える。銀時達が生息している江戸であれば普通にツッコミを入れる程度で終わる話なのだが、生憎此処はリリカルな海鳴市。その為銀時の嘘をかなり間に受けてしまっているのであった。
「そ、それは大変だなぁ……ところで、なのははどうしたんだい? さっきから姿が見えないんだけど」
いきなり答え辛い質問をされた為に新八は答えに渋った。視線を泳がせながら答えを探る。
すると、そんな中で銀時が軽く咳払いをする。どうやら銀時が答えを代わりに答えてくれるだろう。それを悟った新八は銀時の答えに縋る事に決めた。
「実は……なのははそのマウンテンゴリラに攫われちまったんだ。俺達も必死に抵抗したんだが、相手は狂暴なマウンテンゴリラ。俺達三人で戦いを挑んだんだが、結局俺達じゃ勝つ事が出来ず、力及ばずなのはを連れて行かれちまったんだ」
「はうぅ……」
銀時の言った事は勿論真っ赤な嘘である。だが、それを真実とばかりに誤解している高町家は誰もが青ざめており、仕舞いには高町家母の桃子は真っ青になり卒倒してしまう始末であった。
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