暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
魔法先生ネギま!
0305話
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軌道を取りながら闇へと向かっていく。普通なら難しい遠隔操作だが、俺は今まで幾度となくファントムを使ってきている。その応用で可能になった技術だ。
 炎の矢が闇へと着弾し、爆炎を吹き上げる。その様子をみながら、闇から距離を取る俺。

「よし。これで少しは考える時間が出来たな」

 一息吐き、先程の闇の言っていた言葉を脳裏に浮かべる。
 全てを飲み込む。始まりの闇。始原の混沌。これらのフレーズが頭の中を過ぎっていく。
 始まりの闇。つまり闇が全ての始まりであると言いたいのか? 始原の混沌というのもそれを表しているのだろう。待て、混沌=闇という認識でなら……足りない、最後の1ピースの無いパズルを目の前にしているような感覚。あるいは目の前に答が書かれた本が置いてあるのが分かりきっているというのに、本に書かれてある文字を読めないようなもどかしさ。

『ほれ、考え事をしていていいのか?』
「っ!? 加速!」

 再び精神コマンドの加速を使いその場から離れる。同時にそこに付き立つ闇の触手。
 だが、その闇の触手は今までの物とは違っていた。触手の先端が地面へと突き立ったかと思うと、まるでゴムボールの如く跳ね返って俺の方へと迫ってきたのだ。
 加速による跳躍でまだ空中にいるこの状態では俺に使える手段は虚空瞬動しか……いや、まだある!
 意識を集中して口を開く。

「一の影槍!」

 まだ空中にある俺の影から槍が作り出され、スライムの闇の触手とぶつかり合う。そして。

「絡め取れ!」

 こちらの意志通りに影の影槍は動き、闇の触手を絡め取ってその場へと押さえつける。

『ほう、操影術の基本的な魔法でこちらの攻撃を完封するとはな。その魔力は確かに闇の魔法を使うに相応しい物があるかもしれん。もっとも、今のままではそれもまた無意味であろうが』

 ……無意味? それは俺があの闇に勝てないからか? いや、違うな。あの口調はそんな感じではない。となると、あの闇に勝っても闇の魔法は習得出来ない? 俺は何か思い違いをしていたのか?
 瞬間、俺の頭に先程の闇の言葉のうち、『全てを飲み込む暗き穴』という一文が思い浮かぶ。全てを飲み込む……飲み込む!? 即ち、自分のものにするという事。
 こういうのをあるいは天啓、とでも呼ぶのかも知れない。足りない最後の1ピース、目の前にある本を読む為の文字の知識。それが埋まった!

『ほれ、次はどうする?』

 闇から放たれた炎。それはまさに闇を凝縮したような純粋な黒さを持つ炎だった。
 今までなら回避するなり、迎撃するなりしていたその攻撃。だが、俺の考えが正しいのなら……

「……」

 無言で右手を伸ばし、まるで迎え入れるかのようにその黒い炎を受け止める。その炎は俺の手を燃やし尽くすか
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