魔法先生ネギま!
0305話
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エヴァに造られた身で言うのもなんだが、まさか自ら望んで闇の力を得ようという愚か者がいるとはな』
その言葉と同時に、黒く染まった氷の矢が10数本連続して飛ばされる。恐らく魔法の射手のようなものだろう。
その攻撃を瞬動を使いながら回避し、闇との距離を縮めていく。
『アリアンロッド 目醒め現れよ燃え出づる火蜥蜴、火を以ってして敵を覆わん……紫炎の捕らえ手!』
闇を中心にして円筒状の火柱が生み出され、その身を炎の中へと捕らえる。あの円筒状の中では炎の熱によって下手なサウナ以上の高熱が産みだされている筈だが、闇なんていう曖昧な存在相手にそう効果があるとは思えない。
『闇とは何だと思う? 光に対する影、昼に対する夜、正と邪、善と悪、秩序と混沌、条理と不条理』
案の定、闇は紫炎の捕らえ手に捕らえられながらも特に苦痛を感じさせずにそう告げてくる。
『アリアンロッド ものみな焼き尽くす浄化の炎、破壊の主にして再生の徴よ、我が手に宿りて敵を喰らえ……紅き焔!』
通常時に発動する紅き焔よりも2倍程度のSPを消費した炎は、小型の太陽とも言える熱を作り出して円筒状の炎の中へとその身を出現させる。しかし……
『だが、ここで貴様に必要なのはよりシンプルな力だ』
ゾクリ。その感覚が冷たい悪寒となって背筋を走った瞬間、殆ど反射的に口を開いていた。
「加速!」
精神コマンドの加速を発動。瞬時にその場から離れると、次の瞬間には俺のいた場所へと黒い雷が降り注いでいた。
ちぃっ、炎、氷、雷。最低3種類の属性を……待て。今俺が使ったのは精神コマンドの加速であってこの世界の魔法では無い。なのに何故発動した? この空間ではこちらの世界のスキルしか発動しないというのは嘘だったのか? いや、精神コマンドはSPを消費して発動する。それがこの世界の魔法と認識された……のか? まぁ、理由はどうでもいい。とにかくこの空間の中で精神コマンドを使えるというのは確かなのだから。
『其は全てを飲み込む暗き穴にして始まりの闇。すなわち始原の混沌』
「……何?」
何だ? 今、何かが……そう、闇の言葉には何かの意味がある。それが何なのかはまだ分からないが、俺の中の念動力が闇の声を聞き逃すなと告げている。だが。
「少しは考えさせる暇を与えろよ!」
闇が蠢いたかと思うと、まるで俺のスライムのように数本の触手と化してこちらへと叩き付けてくる。
『魔法の射手! ……炎の10矢!』
始動キーを省略して放つ魔法の射手。だが、通常時の魔法の射手よりも多くのSPを込めたおかげで、その威力や速度は始動キーを使った時のそれよりも上だった。……まぁ、エヴァ曰く馬鹿魔力のごり押しなんだがな。
俺から放たれた炎の矢が全て違う
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