第八十八話
[1/11]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
さて、そろそろ此方が何もしなくてもサーヴァントが脱落する頃合である。
ロールス・ロイスを駆り夜の新都へとやってくる俺とイリヤ。
強烈な魔力のぶつかり合いを感じ、直ぐに現場へと向かうと到着前に流星の如き輝きが空とビルの屋上から走り、拮抗は一瞬で地上からの黄金の輝きが空から振る流星を飲み込んで消えていった。
「ライダーが倒されたみたいね」
サーヴァントの魂を回収したイリヤが言うのだから間違いないだろう。
「ライダーを倒した何者かは先ほどの攻撃で弱っているかもしれない。いや、大量に魔力を消費したのだったら、次に同じ攻撃は撃てないだろう」
どうするんだ、とイリヤに問う。
「帰るわよ、チャンピオン」
「良いのか?」
「弱いものいじめは趣味じゃないわ。戦うなら正面から万全の敵を叩き潰すのよ。チャンピオンなら出来るでしょう?」
「そう俺を持ち上げないでくれないか。イリヤが思っているほど俺は強くないよ」
「そうかしら」
「そうだよ」
それに俺は正面から相手を罠に掛けて戦うよ。いや、戦いのイニシアチブを取っていると言えばそうなんだろうけれど、母さんみたいに剣のみで相手を倒しきるみたいな事は絶対にしないと断言できる所が悲しい所か。
そんなこんなでライダー戦以降戦闘をしていない俺達だったのだが、イリヤが俺にディナーに添えるスイーツを作ってくれとお願いされ、厨房でケーキを焼いていた時、まさかイリヤはリズに運転をさせてアインツベルンの城を抜け出していたとは…
何故分かったかと言えば、戻ってきたイリヤは自分の部屋に一人の少年を運び入れていたからだ。
衛宮士郎。
セイバーのマスターであり、この物語の主人公だ。
ケーキを作るついでに焼き上げたクッキーを持ちイリヤの部屋に尋ねれば椅子にロープでぐるぐる巻きにされた彼が居るではないか…
「そいつをどうしたんだ?」
そう俺はイリヤに一応問いかける。
「私のサーヴァントにしようと思って連れてきちゃった」
サーヴァント、言葉どおりに受け取れば使い魔にしようと言う事だろうか?
それとも…
「なんだ、そいつと契約して聖杯戦争を勝ち抜くつもりなのか?」
「なっ!?」
と言った俺の言葉に反応したのは士郎だった。
「そんなわけ無いじゃない。士郎が余りにも弱いから私がおもちゃとして保護してあげようって事。当然、聖杯戦争はチャンピオンに頑張ってもらうわ」
むぅ…なんだろう。きっと愛情の裏返しなのだろうと思うけど、その行動が歪んでいるのはなぜだ?
まぁあんな雪に覆われた城から出してもらえていないようだったので、常識を持てと言っても無理な話なのだろうけれど。
「っまて。俺はイリヤのサーヴァン
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ