第八十八話
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その力でねじ伏せられ一刀の元に両断されてしまうだろう。
その猛威は正に鬼神の如く。さらにその鬼神に見合った盾と剣が有るのだから正に鬼に金棒だ。
バーサーカーは巨体に見合わない速度で動き、アーチャーを追い詰める。
自重をその筋力を震わせて、目にも留まらないと言う速度で駆け、振るわれる攻撃にアーチャーは大きく距離を取りながらやっとの事で避けていく。
その攻防の中で攻撃に転じる隙がアーチャーには無い。
「な、何なのよっ!あれはっ、チャンピオン答えてっ!」
イリヤに質問ではなく命令されてしまったので、アーチャーがバーサーカーとの剣戟に夢中になっているのを確認して答える。
「俺にも何であんな事になっているのかは分からないんだ。…だが、アレは元々は俺の切り札であるスサノオと言う能力だった」
「スサノオ?日本の神様の名前よね?」
「中々に博識だな、イリヤ。…スサノオの名を冠しているが、この世界で言う神霊と言う訳では無い。オーラ…今回の場合は魔力だが、それを放出し、人の形で操る技術だ。もちろん、神の名に恥じないような特殊能力も持っている」
「あのアーチャーの一撃を防いだ鏡の事?」
「ああ。ヤタノカガミと言う」
「日本神話に出てくる三種の神器ね」
「そうだ。あの鏡は大抵の物を防ぐだけの力はある」
「あの剣は?」
と聞いたのは今バーサーカーが振るっているアレだろう。
「十拳剣と言う。酒刈太刀とも言うのだけれど」
「トツカ…?」
「そうだな…草薙の剣と言った方が馴染み深いか?」
そっちはイリヤも聞き覚えがあったようで得心している。
「それじゃあチャンピオンの言葉を聞くと、今暴走しているスサノオは本来のものでは無いって事なの?」
「そうなる。実際は紅い甲冑を着た武人の姿をしている」
「じゃあ目の前のあれは?」
「それはだから分からない。何であんな事になっているのか。もしかしたら俺がサーヴァントとしてこの世界に現れたためにおこった変化かもしれない」
とは言え何となくだけど、根拠は何処にもないのだけれど…目の前の巨人が俺をここに縛り付けている元凶であろうと言う直感がある。
俺達は彼に連れられてこの世界に現れた、そんな感覚がするのだ。
視線をアーチャーに戻せば煌びやかで荘厳な黄金の剣を持ち、どうにかバーサーカーと化したスサノオの攻撃を防いでいるが、彼の攻撃はヤタノカガミに阻まれて届かない。
アーチャーの宝具であり切り札であろう固有結界も、刹那の瞬間も目の前のバーサーカーからの猛攻への注意を削ぐ事が出来ないこの戦いには展開する隙などはない。
結果、地力で勝るバーサーカーが一方的に蹂躙する展
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