第八十八話
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揺しているようだ。
「まさか無傷とはね」
「チャンピオン…それは?」
問いかけるイリヤだが、それは後にしてもらいたい。名前は重要で、知られれば対策をとられてしまう可能性も有るのだから。
俺の前には俺とイリヤを守るよう立つ上半身の巨体が有った。その巨体が左手に持つ鏡のような盾を突き出してアーチャーの宝具による一撃を防ぎきったのだ。
時間が間に合わなかった為にヤタノカガミ以外の部分はまだ骨組みだけだったが、次射を許すつもりは無い。消費が激しいのだ、もう良いだろうとスサノオを消そうとしたのだが、スサノオが俺の制御を離れ前進し、肉付いて行く。
その骨格が縮まり、上半身は浮き上がると下半身が現れる。
身長は二メートル半ほどまで縮まってしまっただろうか。それでも標準の人間に比べれば大男だが…
「え?」
驚きの声を上げたのは俺だ。今までスサノオが俺の制御を離れた事なんて一度も無かったのだから。
しかし、今のスサノオの様相は問題である。
いつもの甲冑の姿などではなく、剥き出しの筋肉が鋼のような印象を与える大男なのだ。
その目は狂気に狂っていてまともな思考が出来ているとは思えない。…いや、スサノオに意思があると感じる事事態がおかしいのだが…
現れた大男は左手にヤタノカガミを右手に十拳剣を持ってアーチャーの眼前へと踊りでた。
「なっ!?バーサーカーだとっ!?」
何を持ってアーチャーは俺のスサノオをバーサーカーと断定したのか。しかし、その表情は困惑に満ちていた。
完全に制御を離れたスサノオ…アーチャーに言わせればバーサーカーはその体を完全に実体化させ、吠えた。
「■■■■■■ーーーーーっ!」
その大声に堪らずイリヤは耳を塞いだ。
バーサーカーは解き放たれた獣のような咆哮を上げると床を踏み砕きながら駆け、アーチャーへと迫る。
「ちぃっ!」
アーチャーは迫るバーサーカーに矢を番えて撃ち出すが、左手に構えたヤタノカガミを前面に押し出して受け、突進をやめない。
アーチャーの言うようにバーサーカーと言う理性を失っているクラスにしてはその戦闘は知性を感じさせる。
思考能力もなく暴れまわるのなら盾を使おうなんと思うまい。戦術を取れるほどには狂化に抗っていると言う事なのだろうか…
アーチャーの矢を物ともせずに突き進み、ついにアーチャーに取り付いたバーサーカーのその戦いは暴力と言う言葉すら生ぬるい圧倒的な破壊の嵐だった。
スサノオが元から持っている頑丈さに加え、その身を小さくした事で魔力密度の増した太腕から繰り出される剣は、辺りの空気を切裂き圧倒的な膂力でアーチャーに迫る。
これを受けると言う選択肢はアーチャーには無い。おそらく受け止めた上から
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