第八十八話
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
トになるつもりは無いぞっ」
と自分の立場も弁えずに言い放つ士郎。
「そうなの?ならまずセイバーを殺すわ」
「何でそうなる。オヤジの事は俺にも関係有るかもしれないけれど、セイバーは関係ないだろう」
「お兄ちゃんに自分の立場を分からせてあげないと。お兄ちゃんはわたしの所から逃げ出す事は出来ないんだから」
「なっ!?」
イリヤの傍若無人な物言いに閉口する士郎。
士郎が何か反論しようと口を開きかけた時、イリヤの体がグラリと揺れた。
「イリヤっ!?」
叫ぶ士郎は縛られているので何も出来ず、転びそうになるイリヤの体を俺は受け止めた。
「何かあったのか、イリヤ」
「ええ、少しね。森の結界を抜けた人がいる見たい。おそらくリンとセイバー、あとアーチャーかしらね。良かったわね士郎。あなたの仲間が助けに来たわよ。工房攻めの難しさはリンなら知っているはずなのだけどね」
「遠坂が!?セイバーも一緒なのかっ?」
「そうみたい。それじゃ少し席を外すわねお兄ちゃん。アインツベルンのマスターとして歓迎の用意をしなければいけないもの」
「ちょっと待て、イリヤ…イリヤっ!」
叫ぶ士郎を放置してイリヤの部屋をイリヤを連れて出る。
士郎は壁越しにイリヤを呼んでいるがそれを無視して城の廊下を進むとエントランスへと到着した。
「それで、どうするんだ?流石にサーヴァント二騎を相手にするとなると手に余る。よしんば二騎を相手に立ち回れたとしてもイリヤを守れる保証は無い。イリヤ自身の戦闘能力はイリヤ自身が分かるだろう?」
セイバーは近接タイプだし、同盟中のアーチャーはその名の通り射撃手だ。飛び道具での援護はとてもうっとうしいし、情報通りなら彼はその矢に投影された宝具を矢に変えて放つ。
宝具を直接投げつけると言う暴挙を彼は魔力さえあれば何のリスクも無く行える。
宝具と言う物は侮っては成らない。この世界のルールに嵌らない俺達では有るが、そのルールにのっとっている部分も確かにある。
鏡を打ち砕いたなんて伝承のある剣を使われればもしかしたらヤタノカガミの防御を貫くかもしれない。
まぁ、初見で出来るとは思わないが、此方の手の内が分かれば何かしらの作戦は練ってくるだろう。
とは言え、前回セイバーと戦ったのはフェイトな上に、殆ど持っている技術を使ってはなかったのだが…
さて、俺としては聖杯戦争はまだ中盤なこの時期は出来れば傍観していたい。
この物語のラスボス、一番のネックである金色の甲冑のサーヴァント、ギルガメッシュとの交戦はイリヤが聖杯である以上避けられないだろう。
イリヤの体がサーヴァントの魂を受け入れられる限界はおそらく四騎。それ以上は人間としての何かを代償にしなけ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ