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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第八話 カモミールティー
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る必要はないといわれてはいたが、それでもやはり不安は募る。
「もうじきいらっしゃる筈よ。しばらくそこで待って居て頂戴ね」
「は、はい……」
所在なさげに室内を見渡す和音。落ち着いた調度品で飾られた司令室は、きっとミーナの趣味だろう。机に山と積まれた書類の束が、隊長職の重責と苦労を無言で物語っている。
いったいどれくらいそうしていただろうか、にわかに扉の向こうが騒がしくなり、司令室の扉がノックされる。
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐、ご在室でしょうか? 閣下が到着されました」
扉の向こうから聞こえたのは若い男の声だった。従卒か、あるいは衛兵の誰かだろう。カリカリと書類にペンを奔らせていたミーナが顔を上げ、「すぐにお通しして」と告げる。僅かな沈黙があった後、今度はノックもなしに大きく扉が開け放たれた。
「――やぁ、君がミーナの言っていた未来から来たウィッチ≠ゥい?」
(こ、この人は……まさか!?)
地厚のフライトジャケットに黒のレザーパンツ。
切れ長の眼差しを優しげに眇めながら、首から提げたライフルスコープを弄ぶ。
一目しただけでエースと分かるほどの風格を漂わせているのに、一切の力みを感じさせないその立ち居振る舞いは、まるで女優か何かのようだ。
「初めまして。カールスタント空軍中将、アドルフィーネ・ガランドだ。よろしく頼むよ、沖田和音少尉殿」
さりげなく差し出された手を夢心地で握りつつ、和音はまるで幽霊にでも出会ったかのように呆然としたまま、促されるままに席に座る。
――カールスラント空軍ウィッチ隊総監 アドルフィーネ・ガランド中将
それが、和音を訪ねてやって来た『お客』の正体だった。
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