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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第八話 カモミールティー
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浸りつつ、促されるままに一口飲んでみる。
「あ……すごい」
喉を伝い落ちて胃におさまった瞬間、優しい温かさがじんわりと体を包んでゆくではないか。
ハーブティーにある種の薬効があるという事は、知識としては知っているものの、体験するのはこれが初めてであった。
「カモミールティーには安眠の効果がありますのよ。今日は疲れたでしょう? もうお休みなさい」
「ぁ……はぃ……」
早くもリラックス効果が出始めたか、それとも溜まりに溜まった疲労の所為か、和音の瞳がトロンとしてくる。それを見たペリーヌが、さりげない仕草で和音をベッドに横たえ、そっと毛布を掛け直してやる。
「――お休みなさい、沖田さん。よい夢を」
「………………」
安らかな寝息をたてはじめた和音を見て安心したのか、ペリーヌはカップを片付けてそっと医務室を後にする。一部の隙も無いその立ち居振る舞いは、まさしく貴族の鑑であるかのようだった。
――翌朝
「おはよう、和音ちゃん」
「おはようございます、宮藤さん」
すっかり体力を回復した和音は、朝食を摂りに食堂へとやって来ていた。
本日の朝食は和食のようで、食堂には味噌汁の香りが漂っている。おまけに箸まで全員分が用意されていて、扶桑人ではないのに箸が使えるのか、と和音は軽く衝撃を受けた。
「気分はどうかしら? 沖田さん」
「あ、ペリーヌさん」
先に食堂に来ていたと思われるペリーヌが、見事な金髪をかき上げながら挨拶する。
てっきり洋食贔屓と思っていた和音だが、ちゃっかり「ぺりぃぬ」と書かれた湯呑を手にしている辺り、和食も嫌いではないのかもしれない。もっとも、湯呑に入っているのは紅茶なのだが。
「昨夜はありがとうございました。カモミールティー、美味しかったです」
「べ、別に! 部隊の一員として当然の事をしたまでですわ! これも高貴なる者の義務でしてよ!」
ぺこり、と頭を下げた和音に、ペリーヌは頬を赤く染めてそっぽを向いてしまう。滅多に見せないペリーヌの姿に、居並ぶ一同は唖然とするが、当事者である2人は全く気がついていない。
「む、沖田少尉。体はもう平気なのか?」
「バルクホルン大尉、おはようございます。体はもう平気です」
和音が席に着くと同時に、バルクホルンが食堂に入ってくる。早寝早起きを信条とする彼女にしては珍しく遅いが、その原因は彼女の小脇にがっしりと抱えられていた。
「う〜、まだ眠いよトゥルーデ……あと72時間……」
「何を言っているハルトマン! もう朝だ! いい加減起きろ。ほら、せっかくの朝食だぞ?」
「……朝ご飯じゃなくて朝お菓子がいい」
ぬぼー、っとした表情のままバルクホルンに抱えられているのはエーリカ
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