一章 二話 とある野武士はおせっかい
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・・・流れで軽く返したが、最後のは聞き捨てならない気がした。
・・・まあいいか。
というかこいつ、ほっといたらこのままずっとここに居座ってる気がする。
時間もいいころだし。
「おっとメッセージ」
呟いて、右手をふる。
連動して手元にメニューのウインドウが出現する。
ゲームの世界とは便利なもので、メッセージがあると本人にだけ聞こえる音で教えてくれる。
ウィンドウを操作、メッセージの画面を開く。読む。
「・・・・あー、俺ちょっと出てくるわ」
俺はそう言って立ち上がる。
メニューを操作、装備画面から防具一式と愛用の剣を装備、最後に紅のコートを実体化、肩にのせ首もとのボタンを閉めてマントの様に羽織る。
「どこ行くんだ?」
尋ねてくるクラインに、満面の笑みで答えてやる。
「殺し屋さんのお仕事だよ」
十分後、俺はホームタウンから六層下の四十五層にきていた。
ちなみにというかなんというか、仕事というのは嘘である。
先ほど俺はあたかもメッセージで依頼が届いた様に振る舞ったが、そもそもメッセージはフレンド間限定の機能なので、友達0人根暗男の俺には使えないのだ。
よって依頼がメッセージで送られてくることは勿論、”知り合い”からの連絡があることもない。
さらに言うと、年中避けられている俺にレッド殺しの依頼などそうそうこない。めったにない。
というか俺も別に殺し屋家業を継いでいる訳でもないので、依頼などきてもはなはだ迷惑なのである。
いや、きたら受けるけど。報酬すっげぇ高ぇし。
「ま、アイツもまだまだ甘いな」
そんなに感じでどうにかクラインの魔の手から逃れてきた俺なのだが、別にこの層に用がないわけではない。
そうでもなければこうしてフィールドに出てくる訳がない。
四十五層のフィールドは地下へと続く洞窟地帯。
ここの迷宮区のボスである巨大アリが掘ったとされるこの洞窟群には、噂の新造レッドギルド”アベンジャーズ”の本拠地があると言われていた。
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