一章 二話 とある野武士はおせっかい
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うとした俺だが、続くクラインの言葉に少し驚く。
「確かレッドギルドが新造されたらしいが・・・・それと関係してるのか?」
「へえ」
これは俺が"罪人殺し"だと知っての言葉だ。
この男は時々変にするどい。
「まさか、奴等と殺り合ってるんじゃねぇだろうな」
「いや、まだだ」
ここ二週間はそのための準備期間だった。PvP戦では経験値が入らない。そのため、時代の波に乗り遅れないためには定期的な徹夜でのレベリングが必要になる。
そうでもしなければ、狂った殺人鬼相手に絶対安全の戦いをすることはできない。
今回は毎度の目標である攻略組の平均までレベルを上げるために、二週間を睡眠時間である1日二時間以外を全てレベリングにあてた
てか我ながらよく生きてんな。キチガイじゃねぇ?
「まだって、オメェ・・・」
呆れたようなクラインだが、すぐに気をとりなおしていう。
「関わんのやめろって言ってもオメェは聞かねえだろうから言っとく。気ぃつけろよ。レッドといえばラフコフのこの時代に、その傘下に入らねぇんだ。なんかある気がする」
確かにSAO最大最強のレッドギルド”ラフィンコフィン”の傘下に入らない殺人ギルドは珍しい。
それはラフィンコフィン――ラフコフのリーダーである男の無駄に強大なカリスマ性と、ラフコフ自体の圧倒的なブランド性によるものが大きい。というかむしろ、ラフコフじゃなきゃレッドじゃねえ!という意見が出るほど、レッド間でのラフコフの存在は大きい。
その風潮のなかで、それでも一団体での活動を貫くというのはよほど腕に自信があるか、訳ありか、ということだ。
まあ、それくらいはじめからわかっていたことだ。
だから俺は迷わずいう。
「俺を誰だと思ってる」
あの男を殺すまで、俺は死なない。
「・・・カッコいいとこわりぃけど、目の下にクマできてんぞ」
「なぬっ」
言われて慌ててそこに指をのばす。
レッドプレイヤーと出会ったときに、多少なりとも弱みを見せるのは避けたい。調子に乗った奴等ほど怖いものはない。
鏡のない俺のホームでは結局言葉の真偽を確認できず、本気で一度大きな睡眠をとるかと検討し始める俺に、クラインが笑って言った。
「ま、SAOのプログラムでも、流石にクマまでは再現できないらしいけどな」
「・・・テメエ・・・・・」
思い切り睨み付ける俺を肩をすくめて受け流し、クラインは俺の部屋を訪ねた時恒例の、俺の”知り合い”たちの近況流出を。
「そういや、エギルの店がこのアルゲードに引っ越したらしいぞ」
「へーえ」
「キリトが片手剣スキルをマスターしたんだってよ。」
「あーっそー」
「あとKoBの副団長殿がオメェを次のボス戦に引きずりだそうとしてるって。」
「なーんだってー」
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