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ヘタリア大帝国
TURN77 虚脱状態その十一
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「このど助平」
「おい、何でそうなるんだよ」
「アイドルの写真集の使い道は一つなので」
「そこでそう言うかよ」
「潜水艦隊司令官、大将になっても未経験」
 小澤はさらに言う。
「何時捨てるんだこの野郎」
「あんた俺を何だと思ってるんだ」
「提督じゃなければ不良」
 実意に容赦のない小澤だった。
「暴走族」
「それが俺のポリシーだからいいだろ」
「とにかく。あの人の写真集を買って何回使ったんですか?」
「使ってねえよ、とにかくな」
「はい、何でしょうか」
「あの人今あんなのだけれどな」
 田中は真面目な顔で小澤に話す。
「奇麗だよな」
「ジャージ、三つ編みに丸眼鏡のヲタク少女ルックでもですね」
「ああ、奇麗だよな」
「元がいいですから」
「ちょっと声をかけてみようかって思うんだけれどな」
 そのレーティア本人にだというのだ。
「それどう思うんだ?」
「好きにすればどうでしょうか」
 これが小澤の返答だった。
「田中さんの」
「好きにしていいのかよ」
「そして玉砕して下さい」
「応援はしねえんだな」
「生暖かく見守ります」
 これが小澤の返答だった。
「そうさせてもらいますので」
「止めはしねえか」
「人の恋路を邪魔したりはしません」
 これは小澤のポリシーだ、小澤にもそれはあるのだ。
「そういうことなので」
「じゃあそれでなんだな」
「はい、武運長久を祈ります」
 こう言いもする。
「相手は相当なものですが」
「それでもだよな」
「恋路は自由ですから」
「それじゃあデートにも誘うな」
「ただあの人で捨てれば」
 このことはあくまでこう言う小澤だった。
「後でドクツ国民に殺されますので」
「そうなるのかよ」
「はい、確実に」
 小澤は言い切った。
「ですから注意して下さい」
「そこまで考えてねえけれどな」
「それならいいですが」
「まあとにかくあれだな」 
 また言う田中だった。
「あの娘にアタックするぜ、そして」
「田中さんは今から海が傍にある道を二人でかっとばすと言う」
「海が傍にある道を二人でかっとばすぜ・・・・・・っておい」
「読みが当たりましたね」
「何か嫌な気分だな」
「気にしないで下さい。ただこの読みは敵にも向けますので」
 そうしてだというのだ。
「攻撃の時はお任せ下さい」
「あんたは敵に回したくはないな」
「田中さんもです」
「俺もかよ」
「はい、その機動力と攻撃力は脅威ですので」
 田中とて伊達に潜水艦を率いている訳ではない、それに相応しい資質があるのだ。
「ですから」
「そうなんだな」
「はい、間違っても連合に捕まらないで下さいね」
「あんたもな。じゃあな」
「はい、それでは」
「行って来るな」

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