第十三話 模擬戦
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1994年 2月30日 時刻 0950 富士演習場
演習場には既に12機の不知火が所定の位置で待機をしていた。 今回の模擬戦で富士教導隊の使用する不知火は帝国軍の正式採用型の不知火と違い先行量産型であるが各隊員の技量の高さで性能の差を補っていた。
隊員達は対戦相手が来るまで通常通信を使い作戦や陣形の確認などを行っていた。
ただ一人、教導隊の隊長である藤岡修一大尉は今回の模擬戦の目的について深く考えていた。
「(今回の模擬戦・・・如何にも解せんな。 如何に新型試作機の性能評価とはいえ我々教導隊の本拠地であるこの富士演習場で模擬戦など我らに有利過ぎるのではないのか? だが、殿下が観戦するこの模擬戦負けるわけにはいかぬ。 何時もの如く勝利するだけだ)」
相手の力量や機体性能は未知数ではあるものの、今まで通りに戦い勝利する。 この時まで彼はそう考えていた。
そんな時、僚機である一機から通信が入ってきた。
「隊長、少しよろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「模擬戦相手の情報なんですがなにも無いのでしょうか?」
「それだが機体名だけは解ったぞ」
「そうなんですか?」
「ああ。機体名は[ガンダムエピオン]だ」
「ガンダム?それは何かのコードネームでしょうか?」
「さあな。兎も角、油断だけは・・・」
その時だった。 別の僚機から通信が入ってきた。
「隊長!!12時の方角から高速で接近する飛行物体を捕捉しました。間もなく有視界で確認できる距離です!!」
部下の言う方角に視線を移すとそこには信じられない物が目に映った。
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其処には見慣れない物が飛行していた。 戦闘機や輸送機とは違うフォルムであり、まるで御伽噺にでる紅い色をした双頭竜の姿をした物が悠々と飛行していた。
「なんだ・・・あれは・・・」
驚くのはまだ早かった。 その飛行物体は急降下したかと思ったら変形し始めたのだ。
頭部と思わしき部分だった箇所は脚部となり、爪先からは手が出り、胴体部分から顔が起き上がるように変形し人型になった。
変形し終えると空中を横に一回転するとゆっくりと地面に向けて降下し着地すると、緑色の鋭い眼が此方に光らせた。
「(あれは・・・戦術機・・・なのか?・・・)」
従来の戦術機とは異なるその機体はまるで竜の姿をした騎士にも見え私は若干戸惑った。
その様子は特別観客席から見ていた殿下達も同様だった。
特別観客席には殿下だけでなく、護衛の月詠真耶、斯衛軍大将の紅蓮 醍三郎、巌谷少佐がその様子を観ていた。
「巌谷少佐。あれがそなたの言う[ガンダム]という機
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