第15話 後悔ってのはした後で気付くもの
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は用はない。後は引き上げるだけの事だ。
「フェイト、危ない!」
「え?」
咄嗟にアルフがフェイトの盾になった。そんなアルフの目の前に飛んできたのは一本の木刀だった。回転しながら猛スピードで木刀が投げつけられてきたのだ。
それをアルフは結界を張り弾き返す。その眼下にいたのは、先ほど閃光に当たり吹き飛ばされた銀時だった。
「やいクソガキ共! 今すぐ家の娘を返しやがれ!」
その時、其処に居た銀時の顔は今まで見たどの顔よりも恐ろしい顔であったのを覚えている。
まるで鬼か般若を見ているような感覚だ。二人揃って銀時に肝を握り潰される感覚を覚えていた。
「駄目だ、急ぐよフェイト! 今は闘ってられない」
「うん、そうだね!」
二人は本能で察知した。今の銀時に戦いを挑めば、恐らく無事では済まないと。そして、今自分達がすべき事は、今フェイトの腕に抱かれている大事な人の命を救う事なのだと言う事。それだけであった。
銀時には、それを只見送る事しか出来なかった。空を飛べない銀時には、二人を追い掛ける事が出来なかったのだ。
「銀さん……」
「ちっくしょう……ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
銀時は腹の底から声を放った。折角取り戻せた仲間を、大事な娘を、またしても奪われてしまった悔しさを、どうする事も出来なかった自分の無力さを、夜空に嘆くように、銀時は只、叫ぶ事しか出来なかったのだ。
つづく
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