幻想御手
Trick20_ま、何を言っても戯言だけどね
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私の実験で子供たちは・・・・・
「今のは・・・」
「木山春見の・・記憶?」
「観られた・・・のか!?」
倒れていた木山はこちらを睨みながら立ち上がろうとする。
しかし、腕に力が入らずに再び倒れた。
それでも、また立ち上がってきた。
何かに取りつかれたみたいに。
「何であんな事・・」
御坂は呟いた。答えてもらうつもりではなく、ただ疑問に思った事が口から出ただけ。
しかし聞こえていた木山はそれに答えた。
「表向きは『AIM拡散力場を制御するため実験』とされていた。
だが、実際は・・
『暴走能力の法則解析用誘爆実験』だ。
AIM拡散力場を刺激して暴走の条件を知るのが本当の目的だったというわけさ」
「じゃ・・」
「暴走は意図的に仕組まれていたのさ。
もっとも、気付いたのは後になってからだがね」
「人体・・実験・・・・」
「あの子たちは目覚めることなく、今もなお眠り続けている」
ふらつく足で木山はこちらを向いた。
手で頭を抱えながら、しかし目線はしっかりと2人を捕られて。
「私達はあの子たちを使い捨てのモルモットにしたのだ!!」
木山の言葉に御坂は少しひるんだ。
信乃は何も言わずに話を聞いているだけ。
自分も“生前”に身に覚えのある・・・人体実験。
「でも、そんなことがあったら、警備員に通報して」
「23回」
「は?」
「23回だ。
あの子たちの回復手段を探るため、“樹形図の設計者”(ツリーダイアグラム)に
使用を申請した回数だ。
そうすればあの子たちを助けられるはずだった。
だが、却下された!! 23回ともすべて!!!」
一歩、2人に向かって木山は踏み込んできた。
戦えない体で意味はないだろう。
しかし、気迫が、子供たちを救いたいと思う気持ちがそうさせた。
「統括理事会がグルなんだ! 警備員が動くわけがない!!」
「そのための幻想御手か・・・」
「そうだ! 子供たちを助けられるのはこれしかない!!」
信乃の言葉に過剰に反応する木山。
「だからって、こんなやり方「きみに何がわかる!!!」 え?」
木山にとっては平和ボケとしか言えない御坂の意見など途中で一蹴する。
「あの子たちを救うためなら私はなんだってする。
この街の全てを敵に回しても やめるわけにはいかないんだ!!」
木山は叫んだ。空に向けて叫んだ。
御坂ではなく、白井ではなく、学園都市に向けて自分の気持ちを叫んだ。
信乃は何も言えない。
自分は木山の事情を何も知らない側の人
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