第三幕その八
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喜びが訪れようとはな。これでアンジェロッティも助かる。長官、貴方も王妃に睨まれぬうちにシチリアへ帰るんだな」
「ぐぐっ・・・・・・」
顔を紅潮させるがすぐに気を収めた。そしてトスカに視線を一瞬向けた後冷静な口調で言った。
「その続きは場所を変えて聞かせて頂きましょうか。絞首台でね」
指を鳴らす。警官が二人近寄りカヴァラドゥッシの両腕を押さえようとする。カヴァラドゥッシはそれを振り払い自分で歩いて行く。
「さあ貴女も」
呆然とするトスカを有無も言わさぬ態度で連れて行く。後には誰も残らなかった。
従僕達は何処へ行ってしまったのだろうか。邸には人の気配が全く無かった。静寂が時を支配しようとしていた。
窓が大きく開いた。バタンと音がする。
風が吹いた。ゆらゆらと照っていた蝋燭の炎を消し去ってしまった。
数台の馬車が遠ざかる音がする。そして全ては暗闇の中に消えた。
裁きを下すべき方が席に着かれる時
隠されていた事柄は全て露となり
誰もがその報いを避けられぬ
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